たけくまメモMANIAX

2013年4月13日

鼎談・ぼく脳×おおひなたごう×竹熊健太郎~ 「ぼく脳」と幼稚レアリスムの世界

ある日、竹熊のもとにマンガ家のおおひなたごう先生からメールが舞い込んだ。いわく、「ぼく脳」なる人物がいて、「絵は幼児みたいだが、すさまじいセンスがある」という。深夜ぼく脳のサイトを見て、竹熊は危うく脳梗塞が再発しかけた。ぼく脳とはいったい何者なのか? 某日、おおひなた先生とぼく脳を招き、彼のマンガの魅力に迫ってみた。(構成・有馬ゆえ)

●出席者

ぼく脳 ぼく脳

おおひなたごう マンガ家。京都精華大学ギャグマンガコース特任講師。『ラティーノ▽』(「週刊モーニング」)、『目玉焼きの黄身 いつ つぶす?』(「コミックビーム」)を連載中

竹熊健太郎 「電脳マヴォ」編集長/京都精華大学マンガ学部ギャグマンガコース教授

 

ぼく脳とは、「ぼく脳」である

竹熊 今日は、おおひなた先生からの紹介で、ぼく脳さんとの鼎談が開催されるに至ったわけですが……。ぼく脳さんって、芸人さんなんですよね。マンガ家、ではないですよね?

ぼく脳 えっと、「ぼく脳」です。

おおひなた ぼく脳としか、いいようがない。ラーメン屋でいう「ラーメン二郎」みたいな。

竹熊 芸名ですよね?(そりゃそうだろう)

ぼく脳 はい。前に、本屋か図書館で見た『僕の脳みそを返せ』という本のタイトルが由来です。使いたいなと思ったんですが、長いので略して「ぼく脳」です。でも、この名前がけっこうカブるんですよ。

 

おおひなた 前に共演した大喜利イベントのときも、「脳みそ夫」ってのがいたしね。 

ぼく脳 あと、「オモコロ」にも「ぼくののうみそ」さんっていう人がいますし、そもそもお笑い芸人にも「脳ベンバー」ってコンビがいて……。

おおひなた これも「電脳マヴォ」だもんね。

竹熊 本当にカブりやすい(笑)。失礼ですが存じませんでした。どんな芸風なんですか?

ぼく脳 ピン芸人で、舞台ではショートコントをやっています。タイトルを言って、その内容を小道具を使いながらセリフで話を展開していくみたいな……。内容は、ほとんどマンガと同じです。そもそも、マンガもコントで再現不可能なものを見せる方法として始めたんですよ。

おおひなた この絵は、本気の絵なんだよね?

ぼく脳 現時点では、そうですね。昔はもっと描けたんですが……。といっても、絵を描きはじめたのは2011年の末ぐらいなんですけど。

竹熊 描けば描くほど退化しているんですね。そういう人、生まれて初めて会いました。マンガとかアニメには、もともと興味があったんですか?

ぼく脳 いや、最近まではメジャーなものしか読んだことがなかったんです。『スラムダンク』『クレヨンしんちゃん』『幽遊白書』『るろうに剣心』『ワンピース』……。マンガを描きはじめてから、「作風が似てる」と言われた長尾謙一朗さんや天久聖一さんの作品を読むようになりました。

おおひなた 学生時代は、バスケットボールに打ち込んでたみたいなんですよね。

ぼく脳 はい。小学校から12年間、ずっとバスケ部でした。芸人になったのも、誰かにあこがれていたわけでもなく、高校卒業後に先輩に誘われるがままにNSCに入って、そのままよしもとへ、みたいな感じで……。本当に趣味も興味も何もない、つまらないやつだったんですよ。

おおひなた 芸人の割に、声が小っちゃいよね。

ぼく脳 そうですね。NSCのときも「声を張れ」って死ぬほど言われました。

竹熊 そのころは、鉄拳さんみたいなスケッチブック芸のようなことは考えなかったの?

ぼく脳 まったく考えてなかったですね。相方がいて漫才をやっていましたし。絵は、本当に最近なんですよ。絵を描いてみたら、コントより思いついたことを表現しやすいと発見したので。ただ、これをライブで見せてやっても……スベるだけですよ。

おおひなた まぁ、見せ方次第では、何とかなりそうな気がするな。彼の芸とか絵は、ハマるとすごく力を発揮するんですよ。一緒に大喜利イベントに出たときも、回答がシュールなので、前半は全然笑いが取れなかったんです。でも、後半になって、会場がぼく脳の世界を理解してからは、ドッカンドッカンウケるようになって。

竹熊 マンガを見ていてもそうですよね。読者からすると世界観をきちんと理解しないと面白く感じられない。おおひなた先生が感じる魅力とは?

おおひなた 内容は、はっきり言って全部無意味なんですよ。でも、無意味なものを一応わからせようとして、説明しながら書いている。この説明が、逆に面白い感じを出してるんですよね。

 

「僕の父は仕事帰りに突然すごいカミングアウトをしながら 芸能人全員の髪の毛が集まってできたUFOに吸い込まれて死にました」

 

おおひなた これはね、想像して楽しむマンガなんですよ。このお父さんは、尻が算数の豚を毎日売っている。毎日、こういう風に路上で豚を売ってるんだなって想像して楽しむわけです。売れないと、やっぱりへこむんだなとか。

竹熊 尻が算数の豚を。これはなぜ尻が算数なんですか?

ぼく脳 遠い同士をくっつけるようにしているんですけど……。「豚」と「算数」だと小学校で同時に見ることがあるかもしれないけど、「算数」が「豚の尻になるもの」と考えると、めちゃくちゃ遠いな、と。

おおひなた 豚と算数の関係って、誰も考えたことないですよね。

竹熊 仕事帰りに突然すごいカミングアウトをした。すごいカミングアウトって、いったいどういうカミングアウトですか?

おおひなた それを3コマ目で説明しているんですよ。

竹熊 「絵の具に挨拶したことがあります」? これがそうなの?

ぼく脳 はい。

おおひなた UFOが何でできてるのかって考えているときに、一番遠いものとして「芸能人全員の髪の毛」が出てきたんだ。

ぼく脳 はい、あと気持ち悪いですし。

竹熊 2コマ目でちゃんと時間経過があるんですね。

おおひなた 仕事帰りだから……。あ、豚は置いてきたんだ。しかも「1匹も売れないし」って言うわりに、1匹しかいないんだ。

ぼく脳 確かにそうですね、今、気づきました。

 

●「谷亮子のお墓を勝手に改造してドライブしていたらウルトラマンゲコウ(下校)にぶつかってしまったので、混乱してキツネの両端のことを考えだした女」

おおひなた ウルトラマン下校、いいよね。

竹熊 ウルトラマン下校って、顔の中で下校しているの? 小学生が?

ぼく脳 そうです。「ウルトラマン」と「下校」だったら、ウルトラマンに下校シーンがあるかもしれないのであまり遠くないんですけど、「ウルトラマン○○」になるものとすると、「下校」はものすごい遠いものになる。

竹熊 ぼく脳流のアイデア術は、とにかく遠いものと遠いもの組み合わせるわけですね。

ぼく脳 あと、とにかく絵にして気持ち悪くて面白いものを。

竹熊 そもそも、谷亮子さんは死んでないじゃないですか。

ぼく脳 そこは運転している人の勘違いです。その後、ドライブしていたら、ウルトラマン下校にぶつかって、事故起こしてパニックになって……。

おおひなた キツネの両端のことを考えだした、と。キツネの両端は?

ぼく脳 最初は真ん中とかにしようと思ったんですが、コラージュしたときに鼻と尻尾を貼ったほうが面白かったので。

竹熊 絵からも発想する、と。

おおひなた 事故って焦った顔をしていないのはいいんだ。

ぼく脳 それはいいんです。

 

●「嘘をつくと声帯がワニになる女」

竹熊 これは、わかりやすいんですけど、ワニが刺さってるって……。

おおひなた タイトルで説明してても、それで想像できちゃうような絵はダメなんですよ。「声帯がワニになる」でどんな絵なのかって思って、コレが出てくるから面白い。絵がうまくなったら、はたして同じ面白さが出るかっていうと、また難しいんですよね。この絵で表現するから面白いみたいなところはある。

竹熊 ワニの発想も、なかなかないですよ。たとえば、言葉から考える人は普通はノドボトケからダジャレ的に考えていくんですよ。だから、仏像が刺さっているとかになる。ワニっていうのが、言葉からの発想する人からは普通は出てこない。

おおひなた あとこの人、声帯がワニになったっていうのに動じてないんだよね。これはぼく脳マンガに共通している。みんな、何が起きても動じないんですよね。この優しい目もいいよね。

 

●「(無題)」

おおひなた ……さすがにこれはちょっと読み方がわからなかったんだけど。

ぼく脳 真ん中から、1、2、3、4です。

竹熊 想像を絶するコマ割りですね。

おおひなた これはわからなかったわぁ。

ぼく脳 セリフが見えないので、何を言ってるのかわからないのが面白いかな、と。

竹熊 こんなコマ割り、エッシャーやマグリッドでも思いつきませんよ! まあ、考えたらエッシャーやマグリッドは漫画家じゃないから、思いつかなくて当然ですが。

 

●「すごく独特なツッコミと夜の競馬場を散歩していたらなぜか火が死刑になったという歴史上最も難解な事件」

竹熊 ツッコミと散歩しているのですか?

ぼく脳 はい、音というかセリフと……。

竹熊 独特のツッコミと。「屁の遺族か!」……屁の遺族?

ぼく脳 はい、これが「すごく独特なツッコミ」です。

竹熊 で、火が死刑になってる。

おおひなた 「屁(へ)」と「火(ひ)」でちょっと似てるな。

ぼく脳 似てますね。しまった。

おおひなた ぼく脳のマンガは、すべて存在しなかったもので構成されているんですよね。「ツッコミと散歩する」っていうのも今までなかったし。

竹熊 確かに新しい。

おおひなた 「火が死刑になる」っていうのもだけど、何ひとつ今まであったものがない。そして、競馬場が全然描かれていないっていう。

ぼく脳 すいません。

 

●「ダブルカーブバーガーに的外れなツッコミをした後、とんでもない夢を口にした水泳部の人」

竹熊 ダブルカーブバーガー見て、「情報か」ってツッコんで、「食事を流行らせたい」……。

ぼく脳 まず、めちゃくちゃ流行ってるじゃないですか、食事って。

おおひなた みんな、やってるからね。

ぼく脳 こいつはみんながやってるのを気づいてない。だから、食事を流行らせることが夢なんです。

竹熊 ダブルカーブバーガーを流行らせたい?

ぼく脳 違います違います。まったく関係ないです。ミスです。

おおひなた 本当はつなげたくなかったんでしょ?

 ぼく脳 そうですね。つなげたくないんですけど、つながっちゃったんです。バーガーと食事が近いから。

おおひなた つながると、意味があるんだなって思っちゃう。つながらないもので構成されるから、物語が生まれない無意味さが生まれて面白い。ダブルカーブバーガーに対して、「情報か!」ってツッコむ無意味さ。

竹熊 まったくツッコミになってないじゃないですか。

おおひなた そこなんですよ。いちいち、的外れなツッコミみたいにかみ合わない。僕自身がもともと的外れなツッコミとか、とんでもない心配とか、そういうの好きなんですけどね。

竹熊 このダブルカーブバーガーは、ハンバーガーのバンズとカーブがあったからコラージュして作ってみたら、ダブルカーブバーガーになっちゃったってこと?

ぼく脳 いや、これは「ダブルカーブバーガー」の語感を気に入ってから、何のカーブにしようか考えて、道路のカーブが絵としてわかりやすいかなと思って作りました。

竹熊 たまたま組み合わせてみて、変なものができたから、というタイプではないんですね。

ぼく脳 僕は、全部言葉で展開を考えてから絵を作ります。

 

●「昨日まで有名女子大に通っていたがふと 生活=ギャグ ということに気づいてしまった女」

おおひなた 人魚がカツ丼に座る瞬間は見てみたいですよね。この人は「生活=ギャグ」に気づいたのに、そんな日常を過ごしている自分にすら虚しくなったんでしょ? でも、描かれているのはまったくの非日常なんだけどね(笑)。

竹熊 「生活=ギャグ」っていうのは、ぼく脳さんの普段の考え方とは関係ないですか?

ぼく脳 関係ないですね。

 

●「ほうっておこう 汗がウィンドーズだ」

 

竹熊 これはわかりやすい。けど、汗がウィンドウズって?

ぼく脳 この人が、映画の『28日後…』みたいにウイルスに感染してるみたいなイメージで……。

おおひなた 医者の目線?

ぼく脳 仲間の目線です。この人が「体調悪い」って言ったら、その仲間が「ほうっておこう、無理だ、汗がもうウィンドウズだから」みたいな。

おおひなた 末期なんだね。

 

●「放っておけない女」

 

竹熊 これは「ゴルフのルール」っていうのが気に入っているんですけど、「放っておけない女」なんですよね? 「鮭の幅かよ!」というのは、どういう意味?

ぼく脳 鮭の幅です、鮭の幅。

おおひなた 音がしたからサンタだと思って見に行ったら、鮭の幅だったっていう。

竹熊 頭から尻尾の幅ってこと?

ぼく脳 そうです。それを感じたんです。

竹熊 ゴトッて音がするから、サンタさんかなって思って、鮭の幅を感じて、それで明日はゴルフのルールを増やそう……ってコレ、同じ人が考えてるの?

ぼく脳 そうです。不安定な感じが、男は放っておけないんですよ。「鮭の幅かよ!」ってツッコんで、そのまま寝ちゃってるんで。

竹熊 この女は、放っておくと何をするかわからないから男から見て放っておけない、と。まったくつながってないわけだ

おおひなた 全裸だしね。このツッコミはどうやって思いつくの?

ぼく脳 語感といえば語感なんですけど、幅に関しては今まで「何とかの幅かよ」ってツッコミを聞いたことなかったので。

竹熊 確かに、ツッコミ史上にないですね。実在しないものにツッコんでるし。

おおひなた パッと見て、2本の線ですからね。それを鮭の幅って直感でわかるっていう。

竹熊 クリスマスイブなの?

ぼく脳 そうです。

竹熊 クリスマスイブで、なぜこの女が裸で寝てるの?

ぼく脳 だからおかしいんです。放っておけないんですよ

おおひなた サンタを信じてるしね。「明日はゴルフのルールを増やそう」って、明日はゴルフなんだ。

ぼく脳 いやゴルフじゃないです。ルールを増やすだけで。

おおひなた 勝手に増やすだけなのか。ゴルフ界にはなんの影響もない。面白いね。

竹熊 面白い以前に、おそろしいですよ。

 

●「両津図吉のことを考えていたはずなのに急に凄すぎる決断を下したコック」

おおひなた 両津に図吉……。 

竹熊 著作権に配慮されたんですね。それで両津図吉のことを考えていたはずなのに、急にすごすぎる決断を下した、と。「滝のメスを作るか」? 滝ってあの滝ですよね。

ぼく脳 そうです。オスメスの。

おおひなた あれは、オスなの? 僕たちが目にしている、あの滝は。

ぼく脳 オスです。

竹熊 そこはちょっと、わかりづらいかもしれないですね。

おおひなた いや、全部わかりづらい(笑)。

 

●「馬鹿なことばっかりしているから突然そんな変な病気にかかるんですよおじいさん」

竹熊 いつも透明な大仏を作っているんだ、このおじいさんは。

ぼく脳 そうです。そんな変なことばっかしているから、体重が……。

竹熊 体重が消えた。

おおひなた なんでわかったんだ。

ぼく脳 ゼロになったんです、体重が。

竹熊 負けました。これは才能です。

おおひなた ここで大仏の顔を出してもいいのに、出さないじゃないですか。さっきのも、コック帽でやめとくでしょ。出せば理解しやすいのはわかっているはずなのに、あえて出さない。その狂気な感じを徹底させている。

 

●「野球の」

竹熊 面白い。腐った海鮮丼を打つわけだ。

ぼく脳 この人はなぜか帰ろうって思っちゃうんですよ。こんな魔球がきたんで。

竹熊 ノリツッコミなんですね。

おおひなた 「顔が七色のJカップがついてる竜巻」って、コレおっぱい?

竹熊 黒いのは竜巻なんですね。すごい世界だね。これを絵の上手い人が描いたら、どうなるんですかね?

おおひなた うまい人が書くと、2コマ目とかは「何ィ!? 手元で、海鮮丼に囲まれるゥ?」になっちゃって、つまらなくなる気がするんですね。好みによりますが、淡々としているのがいいんですよ。上手い人だと、オーバーになって、たぶんすぐ帰らないし。

竹熊 確かに。僕はこの海鮮丼の魔球と「右の選手、休日は清水寺でラッパを教えてる」ってどうでもいい注釈がかなり好きですね。

 

●ぼく脳が売れるためにキャラを作ってみた

 

竹熊 おおひなた先生、ぼく脳さんが売れるためにはどうしたらいいんですかね?

おおひなた キャラクターかなって思うんですけどね。「○○くん」みたいな、みんなが入っていけるキャラクターが1つあると、親しみやすいし覚えられやすい。

ぼく脳 キャラクターが必要だとは、僕も前々から思っていたんですけど、なかなか難しくて。

おおひなた 彼のマンガに出てくるキャラクターって、全部おかしいじゃないですか。普通、マンガって、主人公がおかしくて、周りが常識人っていう構図があるでしょう? そういうメリハリがあるといいですよね。

竹熊 じゃあ、ここでいくつかキャラクターを作ってみません? 描くのは速い?

ぼく脳 アイデアが固まれば、めちゃくちゃ速いです。でも、今ですか!?

おおひなた 追い込まれたね~。

 

 

というわけで、その場にあった紙とペンを使って、30分あまりのあいだに生れたのがこちら。

 

 

転校生をイメージしたという、この3つのキャラにおおひなた先生と竹熊が「名前がわかりにくい」「キャラ設定をもっと詳しく」「口癖とか決めない?」などとダメ出しをし、数週間後にぼく脳から送られてきたのが……。

 

ムシャさん

ある日突然、No1アイドルになるために東京の学校に転入してきた謎の外国人。お金が無いので、ミュージックステーションのデカい階段の上で生活している。変な日本語の言い回しと突拍子もない言動で周りを混乱させる。色々な場所で定期的に奇抜な自主ライブを行っている。

 

ムシャさんを主人公にした『少女ムシャ』は、ぼく脳さんのブログ「けつのあなカラーボーイ」で読めますよ!

 

▼けつのあなカラーボーイ

http://tgmkcb.blog.fc2.com/blog-category-14.html

▼少女ムシャ

http://tgmkcb.blog.fc2.com/blog-entry-267.html

 【後記】おおひなたごう先生から私に「すごいギャグ作家がいるんですよ。漫画家じゃなくて芸人さんなんですけど、とにかく絵も発想もすごいんですよ」と紹介されたのが、ぼく脳さんでした。読んでその、脳梗塞が一瞬再発しそうになりましたし、この春から私とおおひなた先生はともに京都精華大学マンガ学部ギャグマンガコースで教えることになっておりますので、もし受験生やご父兄が読んだら「こんなのを褒める先生がいる大学に入学して大丈夫か?」とライバル校の京都造形大学や大阪芸術大学に志望変更されたらどうしようかと、生きた心地がしませんが、しかし独創的という意味ではこんな独創的な作家さんも、滅多にないと思います。

 なにが凄いってぼく脳さんは一切の資料を見ずにどんな絵でも描けますし、アイデアに歯止めというものがありません。また絶対誰にも盗作されないでしょうし、誰ひとり、盗作しようと思わないでしょう。マンガ界、いやおよそ創作に携わるすべての作家にとって「誰も描いたことがない作品」を描くことは一生の夢と申せましょうが、ぼく脳さんは、誰ひとり描けないという意味で、すべてが「誰も描いたことがない作品」であるのです。そのような作品を「描きたいか?」という問題は残りますけれども、ぼくはぼく脳、面白いと思います。 [竹熊健太郎]

 

【緊急告知】竹熊健太郎専用スタイリスト募集!!

今回の座談会、竹熊はほとんど徹夜明けに近い状態で参加したのですが、上がってきた写真を見て、よれよれの一張羅の背広は勿論、頭部の髪の抜け具合等、このままではヤバイと心の底から思いました。今後は京都精華大学ギャグマンガコース教授としてだけではなく、電脳マヴォ編集長としても露出が増える可能性がありますので、読者の皆様の中で「竹熊のスタイリストをやってもいい」と思われる方がいらっしゃいましたら、下記の連絡先までご一報ください。当然実費は竹熊持ちです。無料web雑誌でありますので、あまり多くをお支払いすることはできませんが、関西在住の方でしたら京都八坂神社向かいにある高級お茶漬け専門店「ぶぶや」の一杯1500円(お代わり自由)を必ずご馳走さしあげたいと思います。東京の方でしたら、私が日本で一番うまいと感じる町田アサノのカツカレー¥1600を接待いたします。国籍性別を問いません。

●竹熊メールアドレス k.takekuma●gmail.com ●→@

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