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2008年9月29日

「僕もお金を燃やしてみました」(1)

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080927_0056001_2 ダダカン「鬼放展」は先週の土曜日に東高円寺会場も終わりましたが、その晩になって、俺とは面識のないT・Mさんからメールが来まして、おそらく携帯カメラで撮影したのであろう左の写真が添付されていました。(正確には添付ファイルでなく、写真をアップしたURLが添えられていた) 本人の許可がありましたので、以下にメールを一部省略のうえ転載します。

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■T・Mさんからのメール

初めまして、自分は●●に住んでいる25の男でT・Mといいます。(中略)

所で、竹熊先生の敬愛されるダダカン氏の鬼放展も今日で終了ですね。自分は昨日行って参りました。途中で買った箆棒な人々をバラッと見つつ。

で、帰ってきてから自分も一万円札を燃やしてみました。竹熊先生の箆棒な人々やたけくまメモの中での「普通はできないことだ」というような記述が気になったからです。

結果としては、まあ火を点けたら普通に燃えました。
焦げ臭さを気にして外でやったせいか、すぐに火が消えてしまうのには難儀しましたが。
もしかすると燃えにくい紙なのか、とも思いましたが最後にはメラメラいってくれましたしおそらく、とくに燃えにくい紙でできている、ということもないのだと思います。
あと指が熱かったです。

自分が今回やったことは、単に「自分にはできることなのか、できないことなのか」というのが気になって試しにやってみたというだけのことですのでダダカン氏の「お札焼却儀式」と、意味も格も違うことはわかっています。

自分は全財産に火を点けた訳でもありませんしね。(ただ、今口座に入っているのが10万と幾らかで、毎月の家賃が10万円ほどで自分が無職だということが気にはなりますが)

それから実際にやってみて、ダダカン氏自身、竹熊先生のいうような意味なんかは考えずにやったような所もあったのかもしれない、と思いました。単に小学生みたいな「やってやった」感がほとんどだったのかも、と。(「母親に関して対立した肉親への怒り」があったことを知ったのは、作業後に箆棒な人々を読んでからなので)

自分なんぞは、もったいない、というよりは「一万円で人を驚かすことができるならむしろ安い」などといかにも「わかってない」風な感慨も無いではない、とかそんな感じなのですが。

(中略)

(うっすらと何か書いてあるのが見えると思いますが、これは「DJ●」という文字で自分が同人活動やらサイト運営のハンドルやらに使う名前です。ダダカン氏がお札に「糸井貫二」ではなく「ダダカン」と書いた展示を観てきたので「T・M(本名)」ではなく「DJ●」としてみました)

それにしても、こうして送りつけようとするあたり、自分はどうなんでしょう。
自分は何かを表現したかったんでしょうか。

それとも、たけくまメモなんかでのレスポンスに期待して、むしろ竹熊先生の「表現」を見たがっているだけなのかもわかりません。

見せてから言うのもどうかと思いますが、この行為にダダカン氏への冒涜的な意図は御座いません。もしもそのような誤解を招いてしまうようなことがあれば、平にご容赦ください。
また、筆不精につき乱文についてもご容赦くだされば幸いです。

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■竹熊の返信

メール拝受。画像も拝見しました。
近日中にブログで感想を書きます。
ダダカン師のお札焼却に関しては、Mさんのおっしゃるように小学生のような「やってやった感」が強い、というのはその通りかもしれません。ただ、そうした発作的な行為に対して、いくらでも深読みができるということがあの人の凄さだと思っています。

(中略)

Mさんの行為を見て、最初に思ったことは「連鎖自殺で、中央線に身を投げる人」でした。
本当にお金を燃やしたことは素直に凄いですが、真似する人がこの先出てきたらどうしよう、と。まあ、ことがことだけに模倣者がそれほど出るとは思いませんが(笑)。

名前については、万一を考えて、匿名で行きたいと思います。
というのは、Mさんの行為は「犯罪」になる可能性があるからです。
実際に罪に問われることは、まずないでしょうが、証拠写真も載せるわけですし、貨幣変造は無期または3年以上の懲役なので、結構重罪ですよ。

名前についてですが、「DJ●」だといかにもシブヤ系なニュアンスがあり、シブヤの若者が粋がって、「タイガースの優勝で道頓堀に飛び込む阪神ファン」のような行為に及んだイメージが出るかもしれないので、僕としては「T・Mさん」で行きたい気がするのですが、いかがでしょうか。

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名前の件、了解しました。
「T・M」でも「K」でも、何でも構いません。

罪状については一応理解しているつもりですし、自分が本当にやってしまったことなので
捕まろうが怒られようが仕方ない、とも思うのですが、わざわざ晒そう晒そうとする必要もありませんかね。

それにしても、「DJ●」という名前はいい加減につけたものであり、(中略)、というだけの意味なのでシブヤ系のニュアンスを持っているという指摘は意外に思いました。

> Mさんの行為を見て、最初に思ったことは「連鎖自殺で、中央線に身を投げる人」でした。

この表現には……、
多少なりともショックに感じる部分があった、ような。

「そうか、自分はそんなに馬鹿っぽいことをしたのか」と。
「そんなに格好悪く見られることしちゃったか」というのもあるかもしれません。

でもまあ、よくよく考えてみればダイヤ狂わすのも皆の間で共通のこととして通っている約束事を反故にするのも、それは迷惑に決まってますね。

今回のことで自分は死なない、というだけのことです。

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T・Mさんとのやりとりは以上です。(あと2回ほど事務的なやりとりがありましたが割愛しました)。俺が「シブヤ系うんぬん」と書いたのは、単に「DJ」という言葉から安易な連想をしただけでそれ以上の意味はありません。気分を害されたのであれば謝ります。

それからお札を燃やしている一部始終を携帯で動画撮影したファイルもいただきました。1万円札にライターで火を付けて、灰になるまでが淡々と収められていました。

ところがココログの容量制限にひっかかってアップできず、ここでは断念しました。あとでyoutubeにアップするかもしれません。(※)

T・Mさんの行為については何と言うべきか、ある意味で俺が「煽動」したようなものでもあるのですが、「よくやった」とも「けしからん」とも言えず、なんと言葉をかけるべきか、いささか混乱しております。気持ちの整理がつき次第、続きを書きたいと思います。

ちなみに「鬼放展」は、銀座・高円寺会場あわせて2100人もの方々が来場し、ここまでマイナーなアーチストの個展としては近年まれに見る盛況だったとのこと。主催された鳥水亭木呂さんのブログ(鬼放展にあわせて最近開設されたばかり)によれば、朝日・毎日・産経に告知記事が載った秋山祐徳太子さんの個展でも1300人だったそうで、新聞雑誌が完全無視したダダカン展の注目度の高さは異例だったようです。

http://blogs.yahoo.co.jp/kiro1948/1523471.html
↑ダダカン展最終日(鳥水亭雑記帳)

鳥水亭さんは仙台のダダカン師と緊密に連絡をとっておられ、鬼放展の一部始終も逐一本人に報告していたとのことです。ダダカン展の来場者の過半数が若い女性で、なかには「ダダカンさんと裸のおつきあいがしたいです」という女性まで現れ、師の喜びがあまりに強かったので、心臓発作でも起こされたらかなわんと、今はあえて知らせずに冷却期間を置いているそうです。

来場者の中には足立正生氏などもおり、なかなかお客さんも豪華だったとか。今後今回の展示物を中心にした「図録」も刊行する予定とのことで、こちらも何かあれば「たけくまメモ」でも報告いたします。(つづく)

※ 「T・Mさんのお札焼却」の動画をyouutbeにアップしようとしたら容量超過で冒頭の数秒しかアップできなかったのでいったん削除しました。エンコードをし直しますので、もう少しお待ちください。

※追記:反響が読めないので、youtubeにアップすることは、とりあえず中止しました

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