たけくまメモMANIAX

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2010年5月20日

ヴィレッジヴァンガードで「マヴォ」と小池桂一が並んでいた

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本日は夜の7時に大学を出て、叡山電鉄から京阪電車で淀屋橋で乗り換え、心斎橋からヴィレッジヴァンガード・アメリカ村店に行って「マヴォ」の在庫を確認し、さきほど京都の部屋に帰ってきました。疲れた。

ヴィレッジヴァンガードでは「マヴォ」のバックナンバーが並んでいる隣に小池桂一のマンガ「ウルトラヘヴン」が平積みになっていて壮観でした。以前、下北沢のヴィレッジヴァンガードにも小池桂一の「かたじけない」が平積みになっていて度肝を抜かれましたが、アメリカ村店のコミック売り場主任サイさんに聞いてみたら、「小池さんのは死ぬほど売れるんですよ~」と返事が来て改めてびっくり。おそらくヴィレッジヴァンガードは、小池桂一のマンガが日本一売れるお店ではないでしょうか。

そうサイさんに言ったら、「あ。もちろんマヴォも売れてますよ~」とありがたいお言葉が。

「すると、もしも小池桂一のマンガがマヴォに載ることがあったら、ものすごく売れるのではないですかね。いや実は、小池桂一と私は30年来の知己なんですよ。今度原稿頼もうかなあ」

と俺が言ったら、サイさん「本当ですか?!」と目を丸くされていました。もちろん本当です。小池くんが16歳で手塚賞をとってから、一時的に筆を折って「消えたマンガ家」になっていた80年代初頭に知り合ったんです。

その頃小池くんは桂木カイムと名乗っていて、マンガは描かずにヒッピーをしていました。パチンコ屋でバイトしながらお金を貯めてアメリカに渡って、ディズニーの下請け会社でアニメーターやったりしていた。

それでヒッピー 時代に80枚ほどのマンガのネームを描いていたんですが、あれは未だにマンガになっていません。なんせ「3ページ見開き」なんてありえない描き方してましたからね。見開きが三つではありませんよ。3ページが一回で開いて一望できるんですよ。

もちろん普通の製本はできないので、巻物とかお経みたいな製本にしなければ出版できない作品でした。で、すべてのコマをつなげると一枚の長い絵になっていて、最初のページと最後のページをメビウスの帯みたいにつなげて貼り合わせると、ストーリーが無限に循環するんです。こいつはキチ●イだと思いましたよ。

こないだ久々に小池くんに会ったんですが、ふと思い出して「あのメビウスの帯みたいに循環するマンガ、どうなったの」と聞いたんです。そしたら「ネームはまだ持ってる。けど、30年間一度もペン入れしてない」(※)と言うんで、「たけくま書店で本にしようか? お経を印刷しているところに聞いてみれば本にできるかもしれない。いくらかかるか知らないけど」と答えたわけです。

※註:その後小池くん本人に聞いたら、ペン入れは終わっていたとのこと。ただし、今あれを世に出すつもりはない。絵が変わりすぎているので。とのことです。どうも、俺の勘違いで書いてしまったようです。昔のあのマンガをそのまま発表するのは自分が死んでからにしてほしいが、ただ完全に描き直して発表する可能性はある、とのことでした。

そんなわけで小池くん、今度「マヴォ」になにか描いてくださいよ。原稿料払いますから。安いですが、ヴィレッジヴァンガードで売れたら追加でもっと払います。




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| コメント(27)

“ヴィレッジヴァンガードで「マヴォ」と小池桂一が並んでいた” への27件のフィードバック

  1. ぬるはち より:

    わかりました!
    ヴィレッジ・ヴァンガードに来るお客には、
    「ヴ」が付くタイトルの物が売れるのだと!
    やはり店名から「ヴ」が2個付いてるから、
    来店時点で刷り込まれているのだろうよ。
    そうすると
    「用心棒」は「ヨージンヴォー」とか、
    「カバチタレ」は「カヴァチタレ」に、
    「バイトくん」は「ヴァイトくん」に(これはちょっと違う)
    ちょっとタイトル変えるだけで局地的に売り上げ倍増!
    もうね
    「弁当箱」も「ヴェントーヴァコ」に、
    「ビーフカレー」も「ヴィーフカレー」に、
    「うまい棒」も「うマいヴォ」に、
    すれヴぁあイイジャナイかっ!
    ・・ってヴァカですかvv

  2. J より:

    バカがいる

  3. JUN. より:

    小池桂一先生は「G」の頃からずっとファンです。
    しかし、とっても寡作な作家さんで、今執筆中の
    「ウルトラへヴン」も4年に1冊くらいしか
    単行本が出ません。昔出ていた単行本も絶版に
    なってたりするし、メビウスなみの画力で独特の
    世界観を描写する、すごい実力の作家さんなのに、
    一般的にはあまり知られていなくて、いつも
    歯がゆい思いをしていました。なので今回、
    たけくまさんのブログで記事にして頂いて
    とても嬉しいです!正直そんなに昔から
    お知り合いだったとはびっくりです。
    『巻き物マンガ』ぜひ見てみたいです!
    (そんなものがあったとは・・・!)
    他にも、昔に雑誌には載ったものの、単行本には
    まだ収録されていない作品がけっこうあります。
    「アストロイド」とか「ラザロ・フランコの
    午前4時」シリーズとか。(「ラザロ・・」は
    1話のみ「ヘヴンズドア」という短編集に
    収録されていますが残りの3話は未収録です)
    また「スピノザ」のように25年前に出たきり
    絶版になっている名作もあります。
    もうすでに完成原稿としてある作品で、
    掲載当時の出版社とのしがらみがもうない作品ならば、
    その気になれば単行本化も可能なのではないでしょうか。
    今すぐでなくても、将来的にでもいいですから、
    ぜひ「たけくま書店」でこれら「知られざる名作」を
    単行本化して頂けたらすごく嬉しいです。
    いい作品がたくさんあるのに、人々の目に触れる
    機会がないのは本当にもったいないと前から
    思っていました。『ヴィレッジヴァンガード』に
    置けば絶対売れると思いますよ。
    ぜひぜひ宜しくお願い致します!!!

  4. たけくま より:

    >JUNさん
    「巻物マンガ」「メビウスの輪マンガ」は、ネームの状態でなら現存します。30年前、小池桂一君のアパートで、この目で見ました。彼も、こんなものを描いても出版できないことはわかっていたんですが、とにかく描きたいから描いた、というものです。
    なんとか日の目を見せてあげたいんですが、普通の出版社では出版不可能でしょう。ちょっとどうにかならないか、検討しているところです。

  5. 漫バカ日誌 より:

    16歳の天才!とかで手塚賞取った作品は当時読みました。
    その後ブランクあってメビウスっぽいやつは時々散見しましたが、
    きちんとお話を読んだ事ないので
    機会があればちょっと見てみようかなと思います・・・
    漫画ファンでそういう人多いんじゃないかなー。

  6. JUN. より:

    >たけくま様。
    レスありがとうございます!
    「メビウスの輪マンガ」ネーム状態で現存という
    ことですが、何とか日の目を見て欲しいものですね。
    普通の出版社では難しいとのことですが、
    こちらで形になることを切に期待しています。
    また、昔の雑誌に1回掲載されたきりで単行本に
    収録されていない作品群を、改めてこちらで編集
    して出版、というのは可能なんでしょうか?
    通販とヴィレッジヴァンガードのみの流通でも、
    マニアやファンなら買うと思うのですが・・・!
    もし可能であれば、それらもご検討して頂けたら幸いです。

  7. voy より:

    「ヴリダイコン」
    「すこんヴ」

  8. 小池マニア より:

    「カイム」名義、「小池カイム」名義、「桂木皆」名義があるは知ってたけど
    「桂木カイム」て名乗ってたのは初めて知りました。
    件のお経のマンガはもちろん、他にも書籍化されてない「ラザロ・フランコの午前4時(の2話~4話)」「ASTROID」「パラサイトの化石」などのマンガをぜひ単行本で読んでみたいです!

  9. たけくま より:

    僕は彼の「桂木皆夢(カイム)」名義の名刺を持ってました。もうどこかに行ってしまったけど。

  10. UTTU より:

    カイムの名刺は皆無だったト

  11. 小池好きA より:

    マヴォにてアストロイドを載せてもらうのは無理でしょうか?
    メガヘルツ休刊にてとても歯がゆい思いをしてます。
    もうアーガマは見つかりませんし・・・
    単行本化してもらえれば小躍りします
    巻物、メビウス漫画を原稿にするとウルトラヘヴンが更に遅くなってしまわないか心配(笑

  12. 永田電磁郎 より:

    山田君 座布団三枚持ってきて~

  13. 長谷邦夫 より:

    私だって、もちろん笑う。まず、年に一遍か二遍は
    笑うだろう。柳田邦夫翁が、『漫画の本願』でいう
    ように、「実際の人生には、笑うネタはそう多くない。
    泣く種ほどにも多くは落ちこぼれていない」のである。
     ところで小池圭一の漫画が希少価値を持っているとは
    、いしいひさいち氏から聴かされていた。しかし同時代の作家ではあるが、私の眼にはとどいていないのだ。私の担当編集者が怠惰である証拠ではあるまいか。
    『三島由紀夫あるいは空虚のビジョン』において、作者
    のユルスナールは、こう書いていた。
    「同時代の大作家を論ずるのはつねに困難である。(中略)その作家が、私たちの文明とは違った文明、エキゾチックでナンセンスで、はたまたSFで、ときにはグロテスクで、締め切りに遅いときては、その作品に出会う
    のでさえ困難だからだ。」
     私が不勉強なのではない。版元をユルスナである。
                  (広岡達三)USO  

  14. 忍天丼 より:

    >最初のページと最後のページを
    >メビウスの帯みたいにつなげて貼り合わせると、
    >ストーリーが無限に循環するんです。
    画面をスクロールさせていく漫画という事は
    どちらかというと電子書籍やWEB漫画向きですね
    まさに巻物(scroll)漫画。

  15. かわい より:

    「スピノザ」にははまりました。
    巻物マンガ、いいですねえ。
    出版化難しいものとはいえ、
    天地と表裏が揃っていれば、まだそれほど困難ではないでしょうが、
    メビウスの輪状だと、グンと難易度が上がるでしょうね。
    作品を本来の姿・理想的な姿とするならば、
    本というより工芸品のようなパッケージにならざるをえないでしょうし。
    読者が製本して完成するという「プラモデル的本」という手を使えば
    まあ安価にできるのでしょうが、それが良いかどうかということもありますね。
    いずれにせよ、是非、たけくま書店で、やりましょうよ。

  16. OX より:

    「巻物でメビウスの輪」マンガを出版できれば
    なかなかの話題になりますね
    最近の電子化の方向の対極にあるようでもあるし・・
    なんか楽しそうだ。(これけっこうポイント)
    擬似的にディスプレー上に電子化しても
    メビウスの輪を手繰って読み進める楽しさは
    ちょっと伝わらないと思うしね。

  17. q より:

    >メビウスの輪マンガ
    たけくまさんがかねてから唱えていた
    デジタル本に対して、
    紙の本は工芸品のような捉え方になるという説の
    現実化の第一歩になりそうですな
    紙は丈夫な和紙にして欲しいなーカッコイイし

  18. フルフル より:

    >メビウスの輪マンガ
    web上で、ゆっくりと自動(手動でもいいけど)回転させて、見せるってのが向いてるような・・・
    工芸品として考えるのも、それはそれで面白いですけどね。

  19. モンコ より:

    デジタルで無限に循環したって・・・
    「フーンそれで?」ってなるだけだろうつまらないな
    読み進む途中で絵のデータを判らない様に差し替えたり
    別にメビウスの輪にしなくてもデータ足していけば無限にスクロールできるし
    どうにだってできるからね
    やってみればわかるけど表現として全然つまんないって
    ていうかーそういうのはすごく古臭い発想だよな20年くらい
    コンピューター上で立体表現(最近の飛び出す3Dと違うポリゴンなどの3D表現)が可能になった時にそれっぽいデモンストレーションされてたでしょ
    メビウスの輪マンガ企画はリアルで紙で出版されてこそ意味があるんだよ

  20. たけくま より:

    昨日小池くんに電話で確認したところ、「メビウスの輪マンガ」は昔ペンを入れて完成しているとのこと。昨年彼に会ったときに、「ネームはまだ持っている」という言い方を彼がしたので、すっかり未完成だと勘違いしていました。
    それで、「もしたけくま書店で出版するとしたら、協力してもらえる?」と聞いたんですが、「あの作品は古すぎて絵がすっかり変わっているので、今更出したくない。出版は自分が死んでからにしてほしい」とのこと。
    がっかりですけど、マヴォは気に入ってくれたようなので、今後何かあるかもしれません。

  21. 12AX7(hiro4) より:

    たけくま先生!
    これを紹介してくださいよ!
    明日のイベントですよ?
    京都精華大学国際マンガ研究センター 学術シンポジウム
    マンガ×ミュージアム脱限界論
    -マンガ表現規制問題をめぐって-
    http://www.kyotomm.jp/event/lec/manga_hyogen.php
    出演者
    (五十音順) 伊藤剛氏(マンガ評論家/東京工芸大学芸術学部マンガ学科准教授)
    斎藤光氏(近現代文化誌・性科学史研究/京都精華大学人文学部教授)
    竹宮惠子氏(漫画家/京都精華大学マンガ学部教授)
    ジャクリーヌ・ベルント氏
     (美学・マンガ研究/京都精華大学マンガ学部教授・国際マンガ研究センター副センター長)
    レベッカ・ジェニスン氏(ジェンダー論/京都精華大学人文学部教授)
    司会 吉村和真氏
     (思想史・マンガ研究/京都精華大学マンガ学部准教授・国際マンガ研究センター研究統括室長)

  22. ぬるはち より:

    >「メビウスの輪マンガ」
    >今更出したくない。
    そうなんだーちょっと残念ですね。
    ・・・うーむ、マーヴォーどーふ。

  23. uforia より:

    小池先生はあんなに寡作で、どうやって食べてるんでしょう?
    無粋な質問ですが。。。

  24. JUN. より:

    >メビウスの輪マンガ
    小池先生、出したくないと仰られたんですか・・!
    ううむ、残念です。(^_^;
    それは仕方ないとして、
    以前のレスでも書いたのですが、
    既に別媒体で発表済みではあるが、
    未だに単行本には収録されていない作品群
    (「アストロイド」や、「ラザロ・フランコの
    午前4時」の、2話〜4話まで等)を、
    マヴォにて再録、または改めて単行本として
    出版することは可能でしょうか?
    そちらのほうも、宜しければ小池先生に
    確認して頂ければ幸いです。
    宜しくお願い申し上げます。

  25. より:

    クドい
    たたみかけ過ぎ
    これも一つのクレ厨か

  26. 門外漢 より:

    >小池先生に確認して頂ければ
    発表済みの作品だと、作者の意思確認だけじゃなく、原稿所在だけでもなく、以前発表した出版社とのやりとりも必要になる可能性がある。
    そういう一通りの働きを竹熊さんに「してくれよ」と、一方的に要求している面があるのを
    ちゃんと認識した上でお願いするべきだな。
    あとなにより、巻物マンガではない、そういった作品群を竹熊さんが出版したいか?どうかという問題がはじめにあるでしょうが。
    そういうのすっ飛ばして、外野の人間が「出せるかどうか作者に聞いてくれ」というのは
    いかがなものかな?
    まあ、ファン心理なんでしょうがね。

  27. q より:

    小池桂一の再出現した頃の作品は
    「絶対クスリキメて描いてたなこりゃ」
    という漫画だったよなあ・・・という印象

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