たけくまメモMANIAX

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2011年7月7日

「終わりなき日常」が終わった日

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久しぶりのブログ更新であります。今年に入ってから活動の主軸が完全にツイッターに移行してしまい、ブログをなかなか更新していませんが、現在水面下で「たけくまメモ」をバージョンアップした「たけくまメモMANIAX」とWEBマンガ雑誌『電脳マヴォ』を着々と準備しております。これらはなんとかこの秋までに始める予定で、新サーバーでシステムから構築しているところです。

「たけくまメモMANIAX」のシステムはSEの伊藤弘二さん、また「電脳マヴォ」のシステムおよびブラウザベースのマンガビューアーをプログラマで京都精華大学マンガプロデュース学科講師の浅井康先生にお願いしております。システム的にはしばらく試行錯誤しますが、楽しみにお待ちください。

さて、本日公開する原稿は、東浩紀氏の雑誌「思想地図・震災特別号」(合同会社コンテクチュアズ刊、8月下旬発売)に俺が執筆した原発震災エッセイ「『終わりなき日常』が終わった日」の「梗概(内容紹介のためのあらすじ)」であります。

●「終わりなき日常」が終わった日(梗概)

 3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所の炉心溶融事故は、全ての日本人に深刻な影響を与えた。放射能汚染に対する恐怖や、国民経済が被るダメージへの不安ばかりではない。もともと潜在していた原発に対する世論の分裂が、事故を機に顕在化し、国民が肯定派と否定派に分断されて、互いを罵倒し合う事態が露呈し始めたのだ。

 破局的事故が進行しているにも関わらず、当局は一貫して事故を過小評価した発表を繰り返し、これに疑義を挟むと肯定派から「不安を煽るな」とバッシングを受ける小競り合いが、果てることなく繰り広げられている。

 半世紀以上原発推進を国策としてきた日本は、政・官・財一丸となって「安全神話」をプロパガンダし続け、危険性を警告する識者や市民運動家を「危険思想保持者=左翼」のレッテルを貼る事で抑圧してきた。プロパガンダは成功していたと言える。肯定派の中にも原発に対して内心不安を感じる人はいるはずだが、それ以上に原発を否定することで「アカ」と見なされることが怖いのだとしか私には考えられない。

 消費者として日本のサブカルチャーを支えてきた「おたく」に対しても、同様なことが起きている。森川嘉一郎・東浩紀らおたく世代の論客が口々に震災・原発事故による経済縮小を予想し、おたくは今後、生き方の変質を余儀なくされると論じるや、猛烈なバッシングを受けることになったのだ。

 戦後高度経済成長の申し子であるおたくは、豊かな経済生活なくしては、可処分所得の多くを趣味に消費するこれまでの生活が維持できなくなる。

 戦後、平和と繁栄を享受してきた日本人は、これからどのように生きて行けばよいのか。永久に続くと考えていた「終わりなき日常」は、実は終わってしまったという事実を、受け入れた上で次の一歩を踏み出すべきではないだろうか。(「思想地図・震災特別号」掲載

ちなみに、7月23日には「ニコニコ生放送」で東氏と俺の「原発対談」をやります。ツイッターのフォロワー数が78000人を超える東氏と、24000人の竹熊が「危険厨」との揶揄をものともせず、互いの脳内リミッターを解除して繰り広げる原発トークをお楽しみに! なおこの件に関するコメントはツイッター(@kentaro666)にどうぞ。

たけくまメモのコメント欄も受け付けてますが今回から承認制になってます。悪しからずご了承ください。

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| コメント(13)

“「終わりなき日常」が終わった日” への13件のフィードバック

  1. dadada より:

    >国民が肯定派と否定派に分断されて、互いを罵倒し合う事態が露呈し始めたのだ。
    別にぃ。それは一部の論壇withサブカル文化人の世界の話。ほとんどはどっちにも組せず(できず)「難しいことはわからんからとにかく早く事態を収拾してよ」と考えています。
    たけくまさんの悪い癖だ。自分の主義主張の正当性を示すために「今大変だ~」って騒ぐの。
    地震の翌日か翌々日にTwitterで「とにかく生きねば」とかカッコつけてたけど、それさえ『ナウシカ』の台詞なんだよね。

  2. 芋羊羹 より:

    ニコ生楽しみしています
    できればネット上で問題になった東氏のUstでの「福島での虐殺に興味がある」発言や東氏が懇意にしているカオスラウンジの周辺団体「荒川智則」のデマツイート事件について踏み込んで話して貰いたいです。

  3. akane より:

    私たちは生活と信念を自らの隣にまた
    引き寄せることができるのでしょうか。
    終わりな日常という抑圧がなくなりつつあるということは、その戦いの勝利の予兆になるといいのですが。
    それとまた、終わり無き日常というルーチンの土台がなくとも、マンガ、アニメ文化がより多くの人の人生の伴侶となる強靭な文化であることを示せる絶好の機会になると思います。街のパン屋という話から始まってどうなるかは私には計りしれない大きな運動です。

  4. N より:

    恐ろしいことに、ここは日本です。
    現地の当事者の方には昨日と同じ日常がやってくるのに時間がかかる事態になったのですが、そうでない者には日常があっさりやってきます。
    忘れることにより前に進められる民族なのでしょう。
    「個人の主観的な時間、もしくは大衆の客観的(のようにも見える)時間」と「事態の進行」がシンクロしない場合、「日常」の到来が非現実なまでの律儀さを守ることに、疑問を持つ者は少数でしょう。

  5. ぬるはち より:

    このさい大上段に構えた話より(そーゆーのが得意な人はいっぱいいるし、立脚点がサブカルっつーのを忘れないで欲しい感じですね最近)、
    実はお父さんにまつわるお話とかのほうが聞きたいっすね。

  6. 長谷邦夫 より:

    ぼくは、ここに色々と書いてみたい人間ですが、やめておきたい。
    それは、こんな時期と自分のクロニクル執筆終了とが、完全に重なったショックがあり、マンガ創作の再開を決意し、事実現在はネームを
    72ページ終了。ペン書きも48ページ終了しています。
    今回の大震災についての想いは、この作品に込めました。
    注文執筆ではないので、発表媒体は存在しておりません。
    秘密に仕舞い込むわけでもない。
    同人誌も自分は作りません。
    じゃあ、どうするんだよ。
    これこそ、終ってしまったかもーーーとかいうオタの
    新第二代になって、ニューオタクの方に出会えたら、読んで
    貰おうかなーーーー
    秋には、完成出来るかんじです。
    竹熊さんの発信も愉しみに待っています。

  7. とっかり より:

    >そうでない者には日常があっさりやってきます。
    どこの国でも当たり前でしょう。戦時中だろうと独裁政権下だろうと、庶民はそうして生き延びるのです。
    有事だって理屈こねて騒いでいられるのはメシの種に困らない一握りの「高等遊民」様だけですよ。

  8. たけくま より:

    >長谷先生
    現在執筆中のマンガ、完成しましたらぜひ拝見したいです。WEB雑誌でよいのであれば、今私が準備中の「電脳マヴォ」への掲載も可能だと思います。完成の目処がたちましたら、お知らせください。

  9. 長谷邦夫 より:

    はい!大変有り難いことです。
    ただ「ねえ、長谷サン、マンガを描きましょう~」と
    ぼくに、声を掛けて下さった編集サン(フリー・旧編集長~某誌~)に、お見せします。
    どこに掲載とかのことではなく、作品の部分修正も
    したいと思っていますので~。
    このママで発表したい!というのではなく、
    ぼくは「編集氏の意見で、よりよい作品に直せるなら
    直していきたい」のです。あとは、いつもお世話になっている、クロニクル刊行の水声社の編集氏と社長。
    完成時期は、このあと夏休みですので
    秋口には…と考えています。
    (クロニクル校正が、間にはいりますが)
    いずれにしろ、貴兄にも見ていただけるのでしたら
    大変光栄です。
    ますます、力が入りますよ。
    よろしくどうぞ!!

  10. とっかり より:

    日本玩具協会によると震災後も玩具類の売上は好調で、高須武男会長(バンダイナムコ社長)は「夢や希望、笑顔を与える玩具はもともと不況に強い」と話しているそうです。
    震災でそれまでのジャンルを振り捨てて社会派ぶったりするあわてっぷりを満天下に晒し、図らずも己の腰抜け振りを示したサブカル論壇の諸先生方も、本来このぐらいの胆の座りが必要ではありますまいか。
    世間は諸先生方が考えるほどヤワじゃありません。「大衆」におけるサブカルチャーの「存在意義」という基礎基本を、もう一度見つめ直してほしいと切に願う次第です。

  11. 【原口前総務相】福島第一原発の安全装置は小泉政権が撤去していた
    http://www.youtube.com/watch?v=sraQ7NjFRr8&feature=player_embedded
    これ 大変なことだと思うんですけどマスコミは後追いません。

  12. tokunaga motozi より:

    竹熊さん的にはリスク社会との関わりでまどマギはどう見ているのです?

  13. 無茶しやがって より:

    新都社:
    >教えていただいて有難うございます。
    この返事からたけくま氏が無表情で書き込みしてるのが目に浮かぶ・・・
    編集者無き、読者がageて褒めるのを基本とする世界。
    最低限が無い上に良い作品も悪い作品もごった煮。
    常時コミケに読者が絡んでるような世界。
    ちょっと前の話題になったラノベ盗作の漫画家もいましたが。
    強いて言えば商業へのスカウト対象の一つ、でしょうか。

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