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2004年12月19日

手塚伝説(その3)逃走篇

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112101●手塚は石ノ森章太郎の結婚式で仲人を引き受けたが、締め切りに間に合わず、肝心の結婚式をすっぽかした。石ノ森が周囲の編集者にぼやくと、編集は全員「そりゃ、あの先生に仲人を頼んだ石森さんが悪い」と口をそろえた。

●手塚は締め切り間際によく雲隠れしたが、ある日いつも隠れ家にしているホテルに行くと、支配人から出入り禁止を言い渡された。手塚の知らないうちに編集者が乗り込んできて、「手塚いるか!」と全部のドアをたたいて回ったかららしい。

●地方に逃げたときは、旅館で編集が身柄を確保し、アシが総出で新幹線や航空機で一枚づつ原稿をピストン輸送することもあった。

●手塚の逃走癖は晩年まで直らなかったが、編集が後を追ってあるトンカツ屋で発見した。「先生!」と叫ぶと手塚は他の客が見ている前で、テーブルの下に身を隠した

●ある作品で手塚は電車のシーンを描いたが、それは車内中央に鉄のポールが立っている、戦後まもなくの電車の絵だった。編集者が「こんな電車、もうどこにも走ってませんよ」と手塚に注意すると、手塚は「ボクはもう20年、電車に乗ってないんです!」と激昂、「取材」と称して電車に乗ってどこかに言ってしまった。

●手塚は編集者の気配に敏感で、外にいることを察すると部屋の明かりを消す癖があった。ある編集者が深夜、タクシーで手塚の屋敷に行くと、門の前でいきなり屋敷中の電灯が、庭の明かりまで消えて仰天したという。どうやらブレーカーを全部落としたらしい。

●手塚プロはその後、埼玉県新座市の中古ビルに転居したが、手塚がこのビルを気に入った理由は、部屋から直接外の非常階段につながっている構造で、編集の目を逃れて脱出できるからだった。

●新しく手塚番になる編集者には、編集長から「常にパスポートと数十万の現金を用意しておけ」と言われたという。先生がふっとトイレに行くふりをして、海外まで逃げることがあったからである。

※(4)につづく→


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| コメント(9)

“手塚伝説(その3)逃走篇” への9件のフィードバック

  1. 日本の漫画・アニメの神様

    やっぱり偉大すぎてどれも絶句モノ。
    ◆手塚伝説(その1)禁断のプライヴェート篇(たけくまメモ)
    ◆手塚伝説(その2)お仕事篇(たけくまメモ)
    ◆手塚伝説(その3…

  2. 匿名 より:

    最早逃げ足の速さははぐれメタルの域だ
    T樫といい、萩原といい、斯界の大家は
    編集の追求を逃れるのが巧いな

  3. GTO225 より:

    >●ある作品で手塚は電車のシーンを描いたが、
    >それは車内中央に鉄のポールが立っている、
    >戦後まもなくの電車の絵だった。
    30年前に横浜線はこんな電車ばかりだったので
    「戦後まもなく」というのはチトひどいのでは。

  4. ZO より:

    一億人の手塚治虫でほぼ既出ネタの羅列ですねこれ

  5. たけくま本人 より:

    >ZOさん
    あ、そうです。あの本、僕編集したんですが、よくお持ちですね。当時から、こういう部分だけ抜き出しても売れるんじゃないかと思っていました。

  6. sugi より:

    昔の漫画家さんと業界は、締め切りを守ることを遵守していたのを、改めて思い知りました。
    『まんが道』でも「楽しみにしている読者をがっかりさせてはならない」みたいな事が、書いてあったと思います。
    本当に、某富樫に見習ってほしいです。

  7. 今日のできごと

    ■今日聴いた音楽。
    FPM「Sound Concierge #401 Do Not Disturb」
    朝、リハビリ。
    いつものようにマ…

  8. 手塚治虫

    これ読みました。
    笑いました。ぜひ読んでみてください。
    編集者さんのナマ手塚治虫さんエピソード。
    たとえば
    ●新しく手塚番になる編集者には、編集長か…

  9.   より:

    確かにそうですよね。見習って欲しいですよね。
    http://funi.skr.jp/toga.htm

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