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2005年1月3日

「サルまん」米国版で英語の勉強を!

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saruman01Even a Monkey Can Draw Manga
そういえばすっかり紹介するのを忘れておりましたが、「サルまん」のアメリカ版が出てるんですよ。別にウタダやパフィの向こうを張ろうとしたわけではないんですけどね(だいたい本が出たのは2年前だし)、なんかあの日本語のダジャレばっかしの面倒くさいマンガを翻訳したいという奇特なアメリカ人がいたみたいなんです。
それで恐ろしいことに、現在新刊で購入できる「サルまん」はこの米国版ただ一冊なんですわ。日本版は品切れ重版未定という蛇の生殺しみたいな状態で、中古で手に入れるしかありません。去年はサル年だったんで、これにあやかってサルまんも出るかな、出るといいなあ、と淡い期待はあったんですが、なんもないまま新年を迎えてしまいました。


saruman03saruman02それにしても米国版サルまんですが、タイトルからして「Even a Monkey Can Draw Manga 」と実にそのまんま。豪快な翻訳と言えます。それで中でも感心したのが「パンチラ」が「PANTY FLASHING」となっているところですかね。なるほどパンティ・フラッシュか!とすっかり勉強になってしまいました。戦隊モノの必殺技で使えませんかね。
個人的に気になっているのは後半の「とんち番長編」で、とんち番長が死んでしまうんですけど、これを生き返らせるために竹熊が「クローン人間だ!」と叫ぶんですよ。それで相原が「苦労人?」とボケるシーンなんですけど、いったいどうやるつもりだろう…と思っていたら、なんか知りませんが続刊が出ないんですよ。翻訳者の苦労に報いるためにも、できれば買って応援してくださるとありがたいです。
なに著者の印税なんてほんと微々たるものなんですよ。というか、本当に微々たる額でビックリしました。最初に6万円くらい振り込まれて、あとは年に3000円くらい入金があるくらいで。まあ「サルまん」のような特殊なマンガだから仕方がないかと思っていたら、天下の浦沢直樹先生あたりでも、アメリカで作品出しても印税数万円らしいですよ。
なんですかアニメは海外で羽振りがいいみたいですが、マンガはまだまだ。つうか、こっちだってアメコミ読まないんだからお互い様ですかね。

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| コメント(25)

“「サルまん」米国版で英語の勉強を!” への25件のフィードバック

  1. 酩酊寺 より:

    「ちんぴょろすぽーん」や「ホカホカ姉さん!」がどのように再現されてるのか非常に気になります。
    浦沢先生で数万円ってひどいですね。きちんと宣伝すればアメリカでも億単位の売り上げになると思うのですが・・・それともアメリカでは鬼のようにリアルな絵しか売れないんでしょうか・・・ホモのエルトンジョンが自伝書くだけで内容未定のままアドバンス10億円とか払う国なのに・・・

  2. たけくま より:

    >きちんと宣伝すればアメリカでも億単位の売り上げ
    マンガ単独では、たぶんそれは無理です。アニメとの合わせ技とどうにか…といったところではないでしょうか。その場合、あくまでアニメが主で、マンガはサブの扱いになるでしょう。
    日本のマンガは独自の文法というか約束事の集積ですから、欧米人には結構敷居が高い表現です。われわれがアメコミを読みづらいと感じるようなことを、欧米人は日本漫画について感じます。
    ただしアジア地域は別ですが。文化的に近いこともあるかもしれませんが、やはり昔から海賊版が蔓延していて、日本マンガに慣れがあることも大きいかも。となれば、欧米人も20年後くらいにはわかりませんけどね。
    でもその前に、出版風土の違いがいかんともしがたいものがありますね。講談社・小学館・集英社ともにマンガの欧米進出をやりはじめて10年以上になりますが、日本のシェアの数百分の一くらいではなかなか本気になれないというのが現状でしょう。
    むしろ草の根のオタク交流みたいなところから初めて、じょじょに市場を開拓するしかないのでは。

  3. yume より:

    自分の住んでるとこには「サルまん」が市営の図書館に全巻揃ってます。

  4. uv より:

    いつも楽しく読ませていただいております。
    すでに有名なのかもしれませんが、アメリカでの日本のアニメ受容の広まり方については、以下の論文がなかなか興味深かったです(山形洋生氏の翻訳による)。
    http://cruel.org/other/animeprogress.html
    そこで特に面白いのは、日本のアニメの受容が、日本の側から「市場を開拓」しようとしていったから進んだのでは全くなく、アメリカ内での「草の根のオタク交流」によって勝手に広まっていったという経緯を説得的に論じているあたりです。
    …で、「なんだか面白い・カッコいい・優れてる」っていうものは、アニメに限らずこういう受容のされ方をして広まっていってしまうものだとも思うんですが、これと同様なことがまんがでも起こりうるんでしょうかね?

  5. たけくま より:

    >uvさん
    アニメで起きたことがマンガでも起こりうるかとのご質問ですが、僕個人の意見は、上にも書いたようにいささか悲観的です。理由は、繰り返しになりますが日米のマンガ文法の違いが大きいからです。
    これと反対のこと、たとえばアメコミの日本での受容ですが、戦後何回も(およそ十年に一度くらい)アメコミブームを日本で起こそうとする動きが出るんですけど、一度も成功していません。理由は日本人にはアメコミが「読みづらい」からではないかと思います。
    われわれがスーパーマンやバットマンをよく知っているのは、アメコミからではなくテレビや映画を通じてです。つまり、映像作品であれば作られ方や見られ方の作法にそれほどの違いはなく、すんなり見られるということです。
    マンガはそう簡単ではないと思います。実は私、かつてチャーリー野沢(桜玉吉)と組んで、「NINTENDO POWER」というアメリカのゲーム雑誌でマリオのマンガを連載したことがあります。そのときの経験から言っても、日本式のマンガを欧米人に理解させるのは大変だと思いました。これについてはそのうち「たけくまメモ」で書きましょう。

  6. 忍天堂 より:

    自分としては漫画文法より出版風土の違いの方がネックに成ってると思うので
    やり方さえ上手くやれば欧米でも日本の漫画はヒットすると考えてるのですが
    それから疑問に思ってる事が一点
    なぜアメコミでは写植が手書き風なんでしょう?
    手書き風にする事によって文字のパワーが落ちると思うので
    まず日本の漫画を理解して貰う為には
    写植を手書き風から印刷した文字に変えた方が良いのではないでしょうか
    大人に理解させようとするのだから難しいのであって
    まず遊戯王などのアニメで子供の心を掴み
    それから、すぐに漫画の遊戯王を読む事の出来る土壌を作れば
    (専門店でしか漫画が買えないみたいなので、これが一番難しそうな雰囲気ですが)
    欧米でも日本の漫画が受け入れられると思います。

  7. たけくま より:

    >忍天堂さん
    吹き出しの文字ですが、日本人みたいに写植にすると、アメリカ人には逆にものすごく違和感があるみたいですよ。あちらにはレタラーと呼ばれる書き文字専門のスタッフがいるくらいです。
    最近はPCで作業するため、名人級のレタラーの書き文字でわざわざフォントを作って、それを使うケースが多いようです。このへんは文化の問題なので、簡単にはいかないところですね。

  8. たけくまメモ

    たけくまメモが開設してからとても面白い。あまりに面白いので、竹熊氏のまだ読んだことのない著作も読もうとしたらその半分以上が品切れ&重版未定。どういうことだ!

  9. 忍天堂 より:

    >たけくまさん
    即レス、ありがとうございます!勉強になります
    そのうち漫画の右開きと左開きの事も取り上げられると思いますが
    これも右開きがドイツなどで受け入れられつつある現状を見る限り
    アメリカでも理解出来る範囲だと考えられます。

  10. 島国大和 より:

    今回のトピックは非常に興味深い内容でした。
    漫画の特殊性が西洋圏で受け入れられるにはまだハードルが大変多いようですね。
    サルまんのような良書が在庫なし増版未定状態であるというのも現行の出版システムのイビツを感じます。
    後、株を始められた事をどこかネットで描いてらっしゃいましたがその後も大変気になっております。今後ともこのblogを注目させて頂きます。

  11. やじゅん より:

    米国に住んで3年半になる者です。
    たけくまさんのおっしゃる通り、米国ではアニメは受けるけど、漫画は意外にマーケットに食い込めないようですね。一部のマニア(西海岸に多い)向けの店では、驚くほど色々な漫画の訳本が出ていますが、翻訳が雑、装丁も日本と同じ右開きのままと、一般向けに作る意図がそもそもないので(マニアは翻訳や装丁を気にしない)、マーケットが狭いままになり、ファン層に厚みがでないようです。ちょっともったいないですね。
    NYにあるVertical社というところが、手塚治虫の『ブッダ』を、緻密に翻訳して立派な装丁で出したら、高く評価され、それなりに商業的成功をおさめたそうです。
    キャラクター紹介やプレビューまであって、かなり凝ってます。
    http://www.vertical-inc.com/
    http://www.vertical-inc.com/buddha_characters.html
    先日、Vertical社の人と話をする機会がありました。よろしければ拙ブログを除いてみてください。今日、キャプテン翼の中東での人気についても書きました(考えてみたら、これも漫画ではなくてアニメの人気なんですね)。
    http://blog.goo.ne.jp/junyastone/d/20041226
    http://blog.goo.ne.jp/junyastone/d/20050104
    サルまんの英語版が手に入ったら米国人の友達に勧めてみようと思います。

  12. たけくま より:

    やはり最近はPCの影響で、レタラーの仕事も少しずつ変化してきているようですね。詳しくは下記URLを。
    http://d.hatena.ne.jp/boxman/20041113
    みなさんコメントありがとう。この問題はなかなか面白いので、いずれ自分なりの考えをまとめて書こうと思います。

  13. boxman より:

     あけましておめでとうございます。
     わざわざリンクしていただいて恐縮です。
    > こっちだってアメコミ読まないんだからお互い様ですかね。
    (笑)ひとが悪いなあ。
     もともとコミックス自体の市場規模が全然違うんですから、翻訳で入るお金が少ないのは必ずしも「マンガの問題」だけとはいえないと思いますよ。向こうじゃコミックスだけで喰ってる人間なんてそれ自体がほんのひとにぎりですから。
     それから、ちゃんと気を入れて調べた訳ではありませんが、『サルまん』はアメリカでの評価はかなり高いようです。ちょっと前にかなり読み込んだ書評が『the Comics Journal』誌に出てました。個人的には、あの本は今後は論文なんかで引用されるケースも多くなるだろうと思っていますが、いずれにせよそれで竹熊さんが儲かるわけじゃありませんね(w つまらない茶々入れで申し訳ありません。

  14. たけくま より:

    ↑こちらこそ勝手にリンクしてすみません。
    みなさん、彼が箱男=boxmanさんです。俺の知る限り、アメコミに関しては日本で有数の識者です。
    以後、アメコミのことはboxmanさんにどうぞ。
    それはそれとして、俺は英語がアレなんで英語の「サルまん論」とか読めないんですよ。今年は駅前留学しようかしらん。

  15. 匿名 より:

    ここが非常にためになるとです
    ttp://www4.ocn.ne.jp/~tmf00a/ASKJOHN.htm

  16. nomad より:

    > 今後は論文なんかで引用されるケースも
    金沢 創さん(「他者の心は存在するか」などの著者:三菱化学生命科学研究所特別研究員)に「笑いについて包括的学際的に研究した著書が少ない」と嘆いたところ、「とりあえず『私とハルマゲドン』読んどけ」と強力に勧められました。文化的業績として誇れる仕事とのこと。買わなくっちゃと思っていたら品切れに…
    古書の方が高いっつーのはその分需要がある、定価が高くても買う価値があるってことじゃねーかと思うのですが。

  17. 「サルまん」米国版が発売されていた事実について

    なっ、なんとあの伝説の「サルまん」が米国でも発売されていたとのこと。思わず竹熊大先生のサイトへトラックバック。タイトルは「Even a Monkey Can D…

  18. 箱男 より:

    「マンガスタイル」を考える

     ホントはもう少しあとで書くつもりだったのだが、竹熊健太郎さんのblogでちょうどよいエントリがあったのでそれに便乗して書かせてもらうことにする。  以前にも触…

  19. わかばマーク より:

    以前テレビで水木しげる先生の漫画について語っていた時のことを思い出しました。
    水木しげる先生の漫画は西洋画を習っていただけに背景がやたらと立体的なのにも関わらず、対する登場人物がとっても平面なので、西洋人はどう読んでいいかわからなくなると話してました。
    こちらとしては何も気にせず読んでいたので、
    ほう、なるほどと思いました。

  20. より:

    ドイツだとスーパーの横の本当にどこにでもあるような普通の本屋の店頭で日本のマンガが売ってたりします。ラブひなとかスラムダンクみたいなメジャーなものばかりか、アフタヌーンに載ってるようなのとか、萌え系とかも。

  21. 内田俊明 より:

    アメリカでも
    http://www.tekipaki.jp/~moonlight/misc/give_us_a_ride.html#6
    にあるように状況は変わってきています。
    古い情報を元に文化だなんだと語っても完全に意味がないですね。

  22. 花秋 より:

    アメリカでも若い子たちはいっぱい漫画を読んでいます。特にアニメから入る人がほとんどで、アニメ化された作品などが人気ですね。最近では大手出版社のDCコミックスからも「エロイカより愛をこめて」なのども刊行されました。
    市場規模がまるで違うので、日本でいうほどの「売れている」状態ではないかと思いますが、嘆くほど受け入れられていない状況ではないと思いますよ。
    失礼ですが、竹熊様のご本のようなものはマニア向けになるので、そういったことなのでしょう。
    最近では、普通に漫画風の絵を描く若い方も多く、コミック作家ではなく、MANGA作家になりたいという人たちも多いです。
    日本の方々がアメリカのコミック事情に無関心なだけで、映画のようにいつのまにかおいしいところを吸収され、アメリカ独自のMANGAが増えることもそう遠いことでもないと思います。

  23. ■竹熊健太郎氏のBLOG

    なにげに週刊ココログ・ガイドを見ていたら「たけくまメモ」なるサイトがあった。なか

  24. hello nico より:

    初めまして。
    懐かしかったので、トラックバックさせていただきました。「夢オチ」面白かったです。

  25. ちょっと世にも奇妙な物語(実話)

    私が中学生の頃である。
    友人が「相原コージのコージ苑っていう漫画が面白いよ」と薦めるので、さっそく本屋に買いに行った。
    コージ苑は全部で3巻まである。

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