たけくまメモMANIAX

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2005年1月16日

webマンガについて・まとめ

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今日は本業が立て込んでいますので、簡単に。
こないだから取り上げているwebマンガの名称についてですが、「おまえなんか訳してやる!」さん他のご意見も参考にしまして、今後俺としては次のような呼び方に統一したいと思います。
●モニター(ディスプレイ)で読むマンガ=デジタルマンガ(コミック)
●インターネット上で配信され、主としてウェブブラウザで読むマンガ=webマンガ(コミック)
基本的にデジタルマンガを上位概念とし、特に不都合がなければ普段はwebマンガの呼称でしばらくやってみようかなと。で、CDやDVDでパッケージングされたような作品は、デジタルマンガと。もちろんマンガのかわりにコミックでも、そこはお好みで構わないと思います。


個人的に日本のマンガをコミックと呼ぶことには抵抗があるんですが、デジタルとかwebという外来語とマンガの重箱読みになるのも変といえば変なので、ま、そこはあまりこだわらないことにしようと。特に日本語の特性として、省略表現のときに「デジマン」より「デジコミ」のほうが語感がいいというのはその通りでしょう。
あ、あと細かいことですがこれまでWEBと大文字で表記してきましたが、これだと何かの略語であるみたいなのでこれからは小文字で表記します。
本来、こういう言葉というのはみんなが使っていく過程で、一番違和感のない形が普及していくものでしょう。だから5年後、10年後にはどういう言葉で統一されているかは俺もわかりませんが、そのときは、俺も一般的な言い方に合わせるつもりです。こういった問題であまり抵抗しても仕方がないですし。
現在この種の表現はまだ過渡期で、過渡期であるだけに面白いともいえます。
少なくとも、たとえば既成のマンガを過剰にアニメ的に再編集したような「ギャラリーフェイク・web版」みたいなものはたぶん淘汰されていくのでしょう。特にこの作品の場合、なにを勘違いしたのか声優まで使っているので、マンガのインタラクティブ性をほぼ殺してしまう結果になっていると思います。ここまでやるなら、いっそアニメにしたほうがよほどいいと思うわけですね。
一方で、たとえば「<うみのゆき」のような縦スクロールのコマ割りは、個々のディスプレイやブラウザなどの環境をあまり問わないという点で優れていると思う。ディスプレイで読みやすいだけではなく、コマ割りの概念も残しているという意味では、あきらかにアニメやゲームとは異なる、マンガの範疇に入れるべき表現ではないかと思います。
それからeviYanさんの「遠泳」、これはアニメ的演出ですが過剰にならず、かつコマ割りも残しつつバランスよくまとめている。数年前の作品ですが素晴らしい完成度です。それからアニメ的といえば、プロマンガ家・辻恭平さんによる「ポカちゃんと僕」もありますね。これはこれですごく読みやすくて面白い。でもここから一歩進めばゲームノベルやアニメになってしまうギリギリのところですよね。
たぶんストーリーに分岐を入れてマルチエンディングみたいなことをすれば、これはそのままゲームノベルになるし、クリックで先の画面に進むという要素をとってしまうとアニメになってしまうでしょう。ここから逆に考えると、
(1)ディスプレイで読まれることを想定した表現である。
(2)基本的に、作者の考える時間軸に沿ってストーリーが進行し、枝分かれをしない。
(3)コマの概念がある。かつ、コマからコマへと移行する時間は、読者の側にまかされている。
上記のみっつの要素を満たすものを、デジタルマンガ、またはwebマンガと呼ぶべきではないかと考えます。
さて次の段階として、web上のアニメーション表現にも俺の興味は向かうのですが、これは数も多いでしょうし全体を把握するのは大変かもしれませんね。例によって、面白い作品があれば教えてください

たけくまメモMANIAX

| コメント(15)

“webマンガについて・まとめ” への15件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    ギャラリーフェイクweb版は深夜にアニメでするようになったので、無くなるでしょう。

  2. R30 より:

    はじめまして。
    個人的に最近心に残ったデジコミ、あるいはWebコミと言えば、やや旧聞に属しますが、
    昨年夏に一部のネットユーザーで爆発的ヒットを巻き起こした「デスノコラ」かと。
    (主な作品は以下のURLをご参照下さい)。
    http://members.at.infoseek.co.jp/kuro725/deathnote-log.htm
    画そのものはメジャー作品のコラージュに過ぎないのですが、
    先生の挙げる3つの条件を満たすWeb表現としては非常に面白いと思いました。
    デスノコラについては、竹熊先生はどう思われますか。

  3. たけくま より:

    >R30さん
    「デスノコラ」はいくつか見たことがあったんですが、こういうリンク集は知りませんでした。
    久々にパロディの元ネタになりうるマンガが出てきた感じですね。
    ところでwebマンガとしてはどうか、とのお話ですが、まだリンク先全部を見たわけではありませんがコラージュそのものはアナログでもやろうと思えばできますよね。実際、僕も大昔に『巨人の星』のリミックスを作って遊んでいたことがあります。左門を主人公にして、そのコマだけ取り出して別のマンガを作るようなですね。
    そう考えると、特にwebマンガとして積極的な評価は下しにくいところもありますが、多くは縦スクロールでブラウザでの可読性を考慮されている点、またネットでアングラ的に作品が流通し、コラ職人が相互に刺激しあってさまざまな作品が出ているところは面白いと思います。
    まあ、ジャンプ編集部としては苦々しく思っているんでしょうけどね。でもこういうものは規制しきれるもんじゃありませんしね。

  4. マガラ より:

    はじめまして。
    とても読みやすく向読心をくすぐられるblog、毎日、楽しみにさせていただいております。
    少しずれる話題にはなりますが、日本国内のweb漫画とは異なる海外のweb漫画の動きとして、面白いものがありました。
    http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20040607203.html
    おそらく日本では起こりえないムーブメントですし、同人の粋をでない話題だとは思うのですが、これもwebならではの特製を使った漫画表現から派生したものではないかと。

  5. たけくまメモがかなりおもしろい

    「サルまん」の共同著者である竹熊健太郎氏が最近ブログをはじめていて、結構というかかなりおもしろいです。 http://takekuma.cocolog-nif

  6. たくねす より:

    初めまして。
    以下のページの漫画、
    http://homepage3.nifty.com/dochikushow/
    http://homepage3.nifty.com/dochikushow/diary/comic/comic40.htm
    次世代君ですが、普通の紙ベースの漫画と
    同じような体裁ですが、文字数とか画面内に絶対収まるサイズとか、かなり意図的にやっていると思います。
    上手くなっていく過程を見ていたので、余計そう思うのかも知れませんが。

  7. 佐山 より:

    アニメーション、有名なものですが。
    ttp://sp-game.cocolog-nifty.com/38/cat1992253/index.html

  8. 匿名 より:

    webアニメ、有名どころですが「ウェブテント」というサイトをご紹介します。
    http://www.geocities.jp/jugongordie/index.html
    ところで、Flashには既存の(動かない)絵や音楽を組み合わせて作ったものも多いですが、そういうものも「webアニメ」と言い得るのでしょうか?
    (例)
    http://akamulti.hp.infoseek.co.jp/mmr.html
    定義にこだわることにあまり意味はないかもしれませんが、少し気になったもので、宜しければお答えいただければ幸いです。

  9. 赤日高 より:

    ↑のコメント、自分の名前を書き忘れていました。
    お詫びにもうひとつご紹介。
    「第三回紅白FLASH合戦」
    http://flash.chbox.com/rw04/page.php/index
    質の高いFlashが揃っています。

  10. 忍天堂 より:

    正直web漫画とFLASHアニメの境界線が分からなくなってきました・・・(笑)
    >web上のアニメーション表現にも俺の興味は向かうのですが、
    前のエントリーで赤日高さんが紹介されてた、
    ジャンプデジタルマンガの「ツヨキチマン」が面白かったです。
    http://jump.shueisha.co.jp/henshu/JDM/tsuyokichi/tsuyo_main.html
    漫画というより、どちらかというとアニメーションにカテゴライズされると思いますが。
    手動再生より自動再生がお勧めです。
    ギャラリーフェイク・web版と違い、
    作者自らが考えた「間」「演出」だと全然出来が違いますね。

  11. yuk より:

    はじめまして。
    web上のアニメーションといったらまずgifアニメでしょうか。
    以下のサイトのworksにある作品はなかなかおもしろいです。
    http://wf.31rsm.ne.jp/%7Ekymg/
    つづいてこちら
    http://lionz.web.infoseek.co.jp/
    白黒gifアニメから始まり色がつき、音がつき、3Dになり・・・
    webアニメの変遷がわかりやすいかな、と。

  12. ジェットにんじん より:

    はじめまして、
    http://machinefunk.web.infoseek.co.jp/xange/top.html
    の漫画にはとても驚かされました!

  13. ホームページまんが 「男さぶろう」

    悪夢のような漫画を見つけました。
    以前にうちでも紹介した「栄冠は君に輝かない」と真っ向勝負する素敵作品です。
    ホームページまんが「男さぶろう」
    こ…

  14. 生活日報 より:

    [出版]本宮ひろ志、楽天でマンガ販売

    ITmediaニュースによると、本宮ひろ志が『サラリーマン金太郎』の新作をネット配信するとのこと。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0504/07/news098.html ビューワは楽天独自のもの。 絵に動きを与えたり、効果音を音声として入れているらしい。なぜかしら。「バタン」とか、そういう音を表現する描き文字は、このマンガでは絵の中に埋め込まれてはいないのだろうか。今更こういう表現を使うということは、本宮ひろ志なりの電子化したマンガの表現を考えた成果…

  15. [マンガ][アニメ][ネット] マンガの喫水線(1)――マンガとアニメの運動をめぐって

    マンガの臨界をめぐる議論が、生産的な成果をもたらし始めて久しい。絵画や文学におけるさまざまな近接領域との関係性を策定する作業は、マンガの成立について考察するための、不可欠な作業となっている。 またこの議論は、現代マンガの前衛的な部分に関しても、しばしば展開されてきた。たとえば、筑摩書房の『第2期・現代漫画12 前衛漫画傑作集』などを眺めているだけでも、あるいはタナカカツキのような作家について考えるだけでも、なにがマンガであってなにがそうでないのか、その境界線は、まったく自明ではないように思われてくる…

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