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2005年2月24日

アメリカのwebマンガ事情

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箱男さんの2月23日のブログでアメリカのwebコミック最新事情が紹介されています。
このエントリに登場するスコット・マクラウドは、いうならばアメリカの夏目房之介で、マンガ(コミック)をその構成原理から解き明かしたマンガ表現論の海外での第一人者。夏目さんと俺が中心になって『別冊宝島EX・マンガの読み方』(宝島社/復刊リクエスト受付中)を著した直後に、マクラウドの存在を岡田斗司夫氏から教えられ、「まったく同じ事(マンガ表現論)を考えている奴があちらにもいたんだな」と夏目さんと二人で大いに驚いたことを覚えています。


Amazon.co.jp: 本: マンガ学―マンガによるマンガのためのマンガ理論ちなみにマクラウドの代表作『マンガ学』(岡田斗司夫監訳・美術出版社/現在品切中/原著は入手可能Understanding Comics)は「マンガ形式で描かれたマンガ評論」という意味では『サルまん』と同形式なんですけども、これの原著が出たのは1992年で、『サルまん』とほぼ同時期の仕事なのでした。ここからもシンクロニシティを感じます。
で、この『マンガ学』の後、マクラウドが何をやっていたのかよくわからなかったのですが、実はwebマンガ(オンライン・コミック)の可能性にいち早く注目し、独自の表現運動を始めてこの分野の第一人者にもなっていたということを、箱男さんの記事を読むまで不覚にも知りませんでした。そうか、そんなことをやっていたのか。
詳しくは箱男さんのブログに飛んでいただきたいのですが、この中で大変面白い作品が紹介されていたので引用します。
>THE ZOOMQUILT | a collaborative art project
>
> でもって、一番すごいなと思った作品がこれ。最初はなんだかわからないと思うが、
>ロードが終わったら画面のどこかでマウスをクリックし、そのままドラッグさせてみる
>となにかが起こる。騙し絵のような独特の酩酊感のある作品で、もはやコミックスと
>はまったくいえないが、忘れがたい余韻が残る。
と箱男氏が書かれている通り、ちょっとビックリしますよ。確かにコミックとは呼べない、どちらかといえばゲームに近いコンテンツなんですが。技術的にそう珍しいことをやっているとは思わないのだけど、日本人にはないセンスを感じますね。

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| コメント(9)

“アメリカのwebマンガ事情” への9件のフィードバック

  1. ポン一 より:

    ウワアすごいすごい。
    素晴らしいですねこれは。
    マクラウドの本は翻訳された当時に買いましたが、キチンと読んでなかったです。
    読み直してみよう。

  2. すずき。 より:

    すごいと言えばすごいのですが、
    よーく考えてみれば、シームレスに奥行きを使う、ということさえ考えなければ、吾妻ひでおとか唐沢なをきのマンガに、似たような手法のものが存在するような気もします。(結局は、齣割りが無いかあっても単調な構図で、始まりと終わりがつながってるマンガですよね?)
    またマンガではないですが、例えばエッシャーとか安野光雅などの無限に上り続ける階段なんかの絵の中の人物が、もしカメラを持っていればこういう画が撮れそうな気がします。それはそれで面白いんですけど、それだったら別にアニメでも出来るわけで、オンライン・コミックの可能性、という文脈では、どうだろう・・・と思ってしまいました。

  3. 居士 より:

    ↑すずき。さん、辛口ですね、、
    わたしも箱男さんのところでこれを見たときはかなりのインパクトを受けましたが・・・う~ん、WebマンガをPCで見るのとマンガとは、やはりメディアの違いの特性が如実に出ると私は思いますけど。。
    ただ、紙メディアはどれほど出版不況になろうとパピルス以来の歴史の重さに代表される不滅の機能性があります。個人的には経典(巻物)、これ最強。(河口慧海さんは懐に入れて川を渡るんですよね~、すごい機密資料ですがなんという賢固さ、なんという情報密度!)

  4. viewboo より:

    はじめまして
    いきなりのオフトピックとなってしまい恐縮ですが、1月25日付けにて紹介されていた"Winsor McCay – The Master Edition"が米アマゾンから届きました
    ジャケットとDVDレーベル面にはR0のマークが記載されており、国内仕様プレイヤーでも問題無く再生出来ております
    以上、とり急ぎご報告まで

  5. 赤日高 より:

    『マンガ学』(日本語版)も復刊リクエスト受付中ですね。
    http://www.fukkan.com/vote.php3?no=19002

  6. たけくま より:

    >viewbooさん
    僕も海外アニメのDVDは米アマゾンにお世話になっているクチですが、マッケイに限らず、アート系やマイナー系の作品はほとんどがリージョンフリーですね。
    さすがにディズニーとかワーナーはリージョン設定がされてますけど。まあ複数PCを持っていれば、一台はリージョン1(アメリカ)専用に設定しておけば特に問題はないです。テレビで見たいのなら、ネットで探せばリージョンフリーのプレイヤーも入手できますし。
    まあいろいろ業界的な問題があるのでしょうが、リージョンフリーのDVDソフトに関しては、日本のアマゾンでも扱ってほしいものですね。

  7. より:

    たけくまさんへ。
    これはWEBマンガですか?
    http://www.presstube.com/

  8. たけくま より:

    >ゴさん
    ああ、それは以前当ブログでも紹介したコレに近い表現ですね。
    http://www.hoogerbrugge.com/ml.html
    ↑こういうマンガなのかアニメなのかゲームなのか分類に困る表現というのは、新しいメディアにはつきものなんですよね。それで、ゴさんの紹介してくれた作品を含め、こういうものこそ注目すべきなのだと個人的には思います。
    なんか新しいジャンル名を与えるべきなのかもしれないですね。

  9. より:

    たけくまさん、
    素早いレスありがとうございます。
    WEB上で公開される映像作品としては、たけくまさんがご紹介されたものも含め、「ちょっと変な映像世界をいじれる」みたいなものが一番こう、ぐっ、とくるのではないかと。
    WEBでCMとか、ショートムービーとか見ても、正直あまりフィットしていないな、と。
    まるで自分の眼を直接いじっているんじゃないかと思うような感じでしょうか。うまくいえませんが。

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