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2006年7月23日

楳図先生がこんなにも!

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Amazon.co.jp: 猫目小僧 1 (1): ホーム: 楳図 かずお

Amazon.co.jp: 猫目小僧 2 (2): 楳図 かずお

猫目小僧 1
猫目小僧 2

楳図先生、怒濤の復刻が続いております。とうとう『猫目小僧』の完全版まで出ちゃってます! 過去にも何回か出ましたけど、今度こそ完全版。「少年画報」「少年キング」「少年サンデー」などで断続的に連載されたものが全部入ってるんですが、一連の装幀を手がけているのが祖父江慎ですから、デザインも無意味に凝っております。

というか、エピソードの初出誌別に本文用紙を変えてるんですよ。何考えてるんですか祖父江さん。表紙もアメコミを意識した感じで、しかもわざとセピアがかったというか、古くさい色味になってる。なかなかカッコイイですね。楳図先生も大喜びだったとか。

それはともかく、猫目小僧といえば劇メーション、じゃなかった肉玉ですよね。子供の頃、あれをリアルタイムで読んだんですが、当分肉ダンゴが食べられなかったですよ。なんであんなキモイ話を思いつくんでしょうね! できれば見なかったことにしたい作品です(いい意味で)。そういや最近映画化もされましたが、できればこれは見なかったことにしたいですね(悪い意味で)。

Amazon.co.jp: 恐怖 1 (1): 本: 楳図 かずお

Amazon.co.jp: 恐怖 2 (2): 本: 楳図 かずお

恐怖 1
恐怖 2

こちらも祖父江慎装幀の『恐怖』。これはもうデザインのレベルからして恐怖ですよ。なんですか、蒸着なんとか印刷という特殊技術で刷られているんだそうですが、裏表紙とか真っ黒かと思ったら、うっすらと恐怖的な絵が印刷されているんですよ。日なたで光を反射させるとぼんやり見えてくるんです。心霊印刷とでもいいますかね。なんでここまでして凝るんですか祖父江さん。

とにかく内容に真っ向から挑戦して一歩も引かないデザインというのも、なかなか見られるものではない。こんなの見たらジャケ買いしちゃいますですよ正直。

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Amazon.co.jp: おろち 3 (3): 本: 楳図 かずおAmazon.co.jp: おろち 4 (4): 本: 楳図 かずお

おろち 1
おろち 2
おろち 3
おろち 4

それで「おろち」なんですけど、昨年出たやつですがまだ紹介してなかったですね。これも楳図かずおを語るに当たって外せない作品でしょう。おろちの顔が藤圭子そっくりだって連載当時から言われてましたねえ。今は宇多田ヒカルの母で有名ですけど、母親のほうも、昔は今の宇多田より人気あったですよ。暗い怨念のこもったような歌ばかりでしたが。

にしてもこの作品、美少女に「おろち」と名付けた時点で勝ったようなものですわね。楳図先生以外の誰もつけられませんよ、こんな名前。中身も超絶的傑作なので読むべし。

祖父江さんの装幀も、こう並べてみると壮観だなあ。

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Amazon.co.jp: 俺の右手: 本: 楳図 かずお

灰色の中の影像
俺の右手

以上紹介したのは小学館刊行で、ここから紹介するのが小学館クリエイティブ刊なんですけどね。ちょっとめんどくさいけれども、小学館系列の別会社なんですよ。それでこっちは貸本時代の知られざる名作を中心に超マニアックな復刻で定評があるわけです。

こちらは祖父江慎のような独創的な装幀ではなく、あくまで貸本オリジナルの装幀を紙質もそのままに忠実に復刻するのが売りで、これはこれでマニアの尻子玉を抜くかのような心憎い配慮がうれしいわけです。

『灰色の中の影像』、実は俺、これの解説も書かせていただいてますが、とにかく薄気味が悪い話なんですね。コワイ、とか気味悪い、のではなくて「薄気味が悪い」って言葉がピッタリというか。現代のギャングの世界に四谷怪談とロード・オブ・ザ・リングを足して2で割ったらこんな作品になるのかも。『俺の右手』は『神の左手・悪魔の右手』の原型になった作品であります。『神の…』は金子修介監督ですでに映画化されてるそうですが、公開はいつでしたっけ。楳図先生の映画化にはガッカリすることが多いのですが、これはかなり期待できるみたいですよ!

Amazon.co.jp: 完全復刻版「花びらの幻想」「続花びらの幻想」: 本: 楳図 かずおAmazon.co.jp: 少年探偵・岬一郎 短編集: 本: 楳図 かずお

「花びらの幻想」「続花びらの幻想」
少年探偵・岬一郎 短編集

そいでもってこういう作品も。『花びらの幻想』はいわゆる「バレエもの」でありまして、貸本時代の典型的な少女マンガといえます。が、そこは楳図先生ですから、SF風味がまざったりして一筋縄ではいかない。復刻はこれが初めてのはず。岬一郎のほうは、これまでに復刻された「底のない町」「姿なき招待(正・続)」に登場した岬一郎探偵を主人公にしたシリーズで、これで岬一郎ものは完全復刻されたことになります。恐ろしい…。

いずれにしても今年に入ってからも楳図復刻はこんなに出ているわけなんですが、貴重な作品ばかりでファンとして嬉しい反面、ブログ的には毎回紹介していると「またか」と思われそうでかえって紹介が難しいところです。

せめて2、3ヶ月に一冊ならいいんですが、小学館、小学館クリエイティブと合わせるとほぼ毎月でしょう。それで今回まとめてご紹介した次第ですが、やはり、こうなったら書評&アフィリ専門サイト「たけくま書店」をなんとか設立しなければなるまい、と決意を新たにした次第です。しかし最近の多忙状況を見ると、いつの日になることか……。

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| コメント(9)

“楳図先生がこんなにも!” への9件のフィードバック

  1. 遥海 より:

    肉玉、私の転居先が舞台だったのですよ。
    内心かなりおびえながら引っ越しましたが、のどかで平和な街でした・・・。

  2. そめ より:

    こうして見せられると、祖父江さんのデザインって改めて恐ろしいほど気がきいてるんですねえ・・・パッケージまでふくめて、商品なんだと感じます。すごい。

  3. すとっぱ より:

    猫目小僧ってやっぱりトラウマになっちゃいますよねえ……。猫目くんがあくまでも健気なところは泣かせるんですが。
    泣きながら棒を砕いてダムに流す話(身も蓋もない書き方ですね)が好きだったです。

  4. [book]肉玉だっ!!(「猫目小僧」(妖怪肉玉)より)

    映画化の復刊。二巻の装丁がかっちょいー。一話ごとにいわゆる劇画調からどんどん楳図調になっていく歴史が観れる。妖怪は妖怪ではなく、姿かたちの醜く、特殊な能力を持って生まれてしまった人間であるという見解が当時の新鮮味を想像させる。 あっそういうことか!?デュ…

  5. apg より:

    ぼくは千手観音が散々暴れたあげく
    実は全部幻だった話にギャフンといいました。

  6. にから より:

    子供の頃から
    猫目の「肉玉」や手塚の「どろろ」にでてくる
    味方か敵かわかんない
    フリークスなキャラに萌えてました。

  7. より:

    肉玉も十二分にヤヴァいんですが、肉団子に関して本当にトラウマになったのは
    おろちの「カギ」ですよ!恵美ちゃんの肉団子・・・・。
    ああ、思い出しただけでミートボールが食べれなくなる。

  8. 長谷邦夫 より:

    『おろち』のカバーデザインはすごいですね。
    買おうかな~。
    ホント、凝りまくりですよね。
    藤圭子似、なるほど。
    彼女のサインがなぜか二箇所にあるLPを
    持っています。(笑)
    フジオプロへ、持って来てくれたんです。
    彼女が有名になる直前、支持していたのが
    我々でした。
    「少年サンデー」赤塚マンガのネームに
    『新宿の女』の歌詞が引用。
    バカだなあ~バカだなあ~
    最近だと、椎名林檎ですかね。
    これもいい曲ですね。
    CD買いました。

  9. さいとう7 より:

    祖父江氏といえば「伝染るんです」も有名ですね。
    あれ「初めて印刷発注するような人が犯す、初歩的発注ミス」を全部わざと盛り込んであるんですよね。
    だから、大爆笑で見つつも、「これ現場でのエラーチェックどうやってやったのかなぁ?」と人事ながら心配になりました。
    本当のエラーがあっても、マトモにチェックできなかっただろうなぁ。

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