たけくまメモMANIAX

« | トップページ | »

2006年9月7日

【談話室たけくま】「著作権の過激派」白田秀彰氏の巻

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

Amazon.co.jp: インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門: ホーム: 白田 秀彰

え~、この6月30日に日経BP社「NBオンライン」で連載が開始された「談話室たけくま」なんですけど、ようやく第二回がアップされました(連載は今のところ不定期掲載です)。今回の対談のお相手は先日『インターネットの法と慣習』(ソフトバンク新書)という、ユニークな法律書を上梓された白田秀彰先生であります。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20060904/109190/?P=1
↑談話室たけくま(1)「日本の著作権法は鹿鳴館である」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20060905/109266/
↑談話室たけくま(2)「著作権で既得権益の保護、大いに結構」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20060906/109342/?P=1
↑談話室たけくま(3)「著作権を主張せずに稼ぐ方法」

白田先生は法政大学社会学部助教授なのですが、インターネット時代の法(特に著作権)のありかたについて普段から積極的な発言・執筆をされている御仁。弁護士とはまた異なる法学者の立場から、著作権保護一辺倒の音楽界・放送界・出版界のありかたに根源的な疑義をしめされている自称「著作権の過激派」であります。

法律にはずぶの素人の俺ですが、「たけくまメモ」でもたびたび触れているように著作権には人一倍興味と関心があります。白田先生の著作には素人ながら共感する部分も多く、対談は俺がぶつけた素朴な疑問に先生が答えるという形式になりました。なかなか面白い内容になったのではないかと思います。

今回は第一回ですが、11日公開予定の第二回にはけっこうすごい発言も。インターネットとPC技術の発展は、明らかに既存の著作権を脅かす側面を持っているわけですが、一方では既存の業界が既得権益としての著作権を強化しようという動きも強くなっている、しかしこれはいずれ既存の業界の敗北に終わるだろう、ということを前提にして、こんなことをおっしゃっている。

白田 意識の高いアーティストどころか、一般の個人ですら、自分で複製・流通ができるテクノロジーが整ってしまいました。また、自分の作品の権利は自分で管理しうるし、そうしたほうが自分の利益になる場合も多いということが、だんだん明らかになりつつある。既得権を持つ人たちが、自分たちが支配しているコンテンツを法律や権利でガチガチに守れば守るほど、フリーなコンテンツとのネットワーク上での競争において、自ら不利な状況に入っているわけですね。

 ですので、権利強化の方向で既得権者のみなさんが頑張ってくれれば、フリーのクリエーターたちの活躍の場が広がる面もあるわけで、最近はもうぜひ権利を強化してばんばんやっちゃってくださいと。もう好きにしてくださいと思ってます。でも、どんなに既得権を守ろうと頑張っても、あと20年から30年くらいしか持たないと思います。》(11日公開分「談話室たけくま」より。太字は引用者)

ここでいう「既得権を持つ人たち」というのは、クリエイターのことではなく、彼らとユーザーの間に介在する音楽出版社やJASRAC、放送局、出版社なんかのことですけれども。要するに、

彼ら中間業者が、既得権益維持のために硬直化した著作権保護で頑張れば頑張るほど時代に取り残されていくのだから、その状況は逆に個人クリエイターやベンチャー企業にとって長期的には有利に働くのだと。ゆえに後先を考えず、どんどん「クリエイター保護を名目にした中間業者の権利」を主張して自分の首を絞めてくださいと、もの凄いことを言っているわけですよ。

これは、以前当ブログでも紹介したミュージシャン平沢進インタビューと併せて読むと、とても興味深い発言ですね。たとえば浜崎あゆみのようなマス・マーケットを相手にするミュージシャンなら現行のシステムは有利に働くけど、インディーズ系アーティストの場合は中間業者は単なる搾取構造に過ぎず、著作権はすべて自己管理したうえで、ネットで作者が直接販売したほうが収益を含めてはるかにメリットがあるのだ、と平沢さんはおっしゃっているのですね。農作物の産地直送販売と同じことなわけです。

http://memo.takekuma.jp/blog/2006/06/post_795a.html
↑「たけくまメモ:平沢進インタビューが面白い」

結構おもしろい対談になっていると思いますので、ぜひ読んでください。それから対談とは関係ないですが、白田先生は「コスプレが趣味」でも有名で、普段から「映画や漫画に登場する大学教授のコスプレ」で大学に通っているという、ややこしい人でもあります。対談は全3回の予定です。

http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/indexj.htm
↑白田秀彰公式サイト

※7日07:40、本文の一部に加筆しました。



たけくまメモMANIAX

| コメント(23)

“【談話室たけくま】「著作権の過激派」白田秀彰氏の巻” への23件のフィードバック

  1. MooH より:

    柳沢教授のコスプレや漆原教授のコスプレなんでしょうか?

  2. Aa より:

    篠沢教授とか坂本龍一教授とか北野武教授とか。
    女の方ですと(以下略)

  3. 平塚 より:

     CDなんかだと、数千枚しか売れないマイナージャンルだったらメジャーよりも自主制作してライブ会場やサイト経由で手売りした方が全然お金になりますよね。
     最強なのは、メジャーマイナーというか、昔はメジャーでやっていてマスコミにあるていど露出し知名度もあり、なおかつ熱心なファン層がついているアーチストですね。
     こういう人だとメジャーでやっている意義がどんどん薄れてきている。いまやインターネットで独自に情報発信できるわけですし。
     それを考えると出版業界での竹熊さんの立場なんて、まさしくメジャーマイナーの図式に当てはまるかと思います(こういっては失礼にあたるかもしれませんが、何卒御容赦を)。
     アマゾンが独立系出版物への販路を開いてくれましたし、あとはオンデマンド出版さえ安価になれば、出版の世界もいろいろと面白くなりそうな気がします。
     個人的には、気になる書き手に原稿を依頼して、オンデマンドでアマゾン経由で売るという「一人出版社」をやる人が続々出てくるんではないかと思ってます(私もその一人です)。

  4. 通公認 より:

    読みました。
    “パロディ法”欲しいですよねぇ。
    模倣は創作の第一歩。
    コンテンツ産業を充実させるには、こういう所も整備しないと。
    日本にこそ必要な法律ですよ。

  5. apg より:

    ↑突然失礼ですが、模倣とパロディは
    違うと思いますよ。

  6. たけくま より:

    >平塚さん
    いや、まったく同感です。

  7. Aa より:

    >模倣とパロディは
    日本では両者に大差なし、でございます

  8. momotarou より:

    デスノート作者逮捕。スク水は大丈夫か。

  9. 長谷邦夫 より:

    >パロディ法
    ぼくが、もうちょい若ければ、マンガ学会に
    パロディ部会を発足させ、この研究をやって
    みたいなあ。
    誰かやろうという人は居ないかね。
    部会も公認されると、小額ながら
    学会も経費を援助しています。
    >たけくまさん
    『サルまん』、到着しました。
    有難う御座います。
    あす専門学校へ持参します。

  10. apg より:

    Aaさんは多分同人誌とかを指して言ってるんだと思うんですが、
    例えばハリーポッターで言えば
    ロシアのターニャ・グロッターは模倣ですが
    http://www.uplink.co.jp/book/barry/2.html
    ↑これなんかはパロディと言うと思うんですけど。
    結構「笑える」かどうかが
    その違いだったりするんじゃないですかね。

  11. Aa より:

    ロシアの話では反例になりませんよ。
    チーズとバター本はいい味だしていましたけど。

  12. apg より:

    反例って? 判例じゃなく相反する例の話ですよね?
    反する例なら別にどこの国だろうと関係ないんじゃないですか。
    パロディとは基本的に模倣の上で成り立つものですが、
    敢えて模倣することによって、その元ネタにはない
    感覚なり感情なりを(笑いや批判など)
    表現することに目的があるものを指すのです。
    その為にはその目的に合った元ネタを選ばなければならないわけで、
    その度にワザワザネタ元のストーリーや設定を
    説明しなければならないようでは目的が明確にならない。
    だから元ネタは誰でも知っている有名ドコロでなくては
    パロディにならないってコトですね。
    知る人ぞ知るようなマイナーなネタでは
    単なるパクリになってしまいますからね。
    簡単に言えば作っている側が、
    元ネタがバレないといいなあ、と思っているのが模倣、
    ハナから元ネタをバラしているのがパロディ、
    ってことじゃないですか。
    世に単なる模倣が溢れているのは日本だけではないでしょう。
    それを理由にパロディと単なる模倣が混同されるのはおかしい。

  13. apg より:

    ま、全部たけくま先生の受け売りですけどね(笑)

  14. naga より:

    >デスノート作者逮捕。スク水は大丈夫か。
    一応、記事を貼りまますが↓
    『「デスノート」作者を逮捕-東京・練馬でナイフ所持』
    http://www.sanspo.com/sokuho/0907sokuho021.html
    最初この記事を読んだときに、
    「Practice-10『単行本を出そう』のネタを実際にやっても、
    もう注目されないだろうな」と、思ってしまいました…
    明日の『やじうまプラス』とかは録画しておいたほうがいいかも。
    (資料として、スポーツ新聞なども…)
    >元ネタがバレないといいなあ、と思っているのが模倣、
    『和田氏の芸術選奨受賞を取り消す』
    http://ja.wikinews.org/wiki/%E5%92%8C%E7%94%B0%E6%B0%8F%E3%81%AE%E8%8A%B8%E8%A1%93%E9%81%B8%E5%A5%A8%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%B6%88%E3%81%99
    >和田氏は、盗作ではなく、共同製作でありオマージュであるとしている。
    オマージュか…

  15. u,t より:

    白田さんが自由さんに見えてしゃーない

  16. エイジロー より:

    対談オモチロカッタ。
    たけくまさんのツッコミがするど過ぎなとこも
    ありましたが、ハイレベルな対談ですねえ。
    次回もたのしみです。

  17. 忍天堂 より:

    対談面白かったです。
    しかし著作権に代わるものは何に成るのでしょうね?

  18. エルモ より:

    本当は、勝つとか負けるかということよりも、どう利便性を高めていくかだと思います。
    今は権利者(管理者?)側の「オレの認めた使い方以外で使うんじゃねーよお前ら」って感じですよね。
    権利にうるさいアメリカよりガチガチなイメージあります。

  19. 匿名 より:

    >>「映画や漫画に登場する大学教授のコスプレ」
    >>で大学に通っているという、ややこしい人
    ここら辺は「ローリー寺西」に通じるような(吉田豪の「人間コク宝」より)。
    しかし革細工とか、面白い教授ですね。たけくまさんと合いそう。

  20. 三葉虫男 より:

    あー、白田先生のお話なんて久しぶりですねぇ。昔はHotwired Japanで連載記事を読んでたんですが、サイト全体の動きがストップしちゃったのでなんとなく追っかけるのが億劫になってたんですよね。面白い題材だけどけっこうムツカシイので私のようなシンプル脳には荷が重いんですよ(苦笑)
    でもコレを機にもうチョッと追っかけてみようかな。

  21. 匿名 より:

    竹熊氏の著作権法違反は親告罪ではない

    竹熊氏の著作権法違反は親告罪ではない

  22. 忍天堂 より:

    おっ2回目更新されましたね。いや~面白いです。
    世界中で「サルまん」が売れる日もそう遠くないかも、
    アマゾンが電子書籍化ビジネスに本格的に乗り出したらどうなるんでしょうね?

  23. bbaxh より:

    Very interesting site. Hope it will always be alive! [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000260a.htmphentermine/url [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000260d.htmphentermine no prescription[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000260d.htmphentermine no prescription[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000260f.htmcheap phentermine[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000260f.htmcheap phentermine[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002611.htmcheap phentermine free shipping[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002611.htmcheap phentermine free shipping[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002613.htmcheapest phentermine online[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002613.htmcheapest phentermine online[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002615.htmdiscount phentermine[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002615.htmdiscount phentermine[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002617.htmviagra/url [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002617.htmviagra/url [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002619.htmgeneric viagra[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002619.htmgeneric viagra[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000261e.htmcheap viagra[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/0000261e.htmcheap viagra[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002620.htmbuy viagra online[/url] [url=http://www.literacy.unisa.edu.au/rpin/_kbas/00002620.htmbuy viagra online[/url] [url=䒊TE: 10/13/2008 10:07:38 PM より

  24. 吉祥寺アニメ祭2008・結果のご報告䒊TE: 10/13/2008 10:09:33 PM より
  25. 「終わりなき日常」が終わった日 に 無茶しやがって より
  26. 「終わりなき日常」が終わった日 に tokunaga motozi より
  27. 「終わりなき日常」が終わった日メルヘンひじきごはん より

バックナンバー