たけくまメモMANIAX

2009年8月31日

竹熊君、“紙”はもう、ダメだよ…(前編)

須賀原洋行氏との“論争”ですが、須賀原氏の最後のエントリでは、お互い言いたいことは言い尽くした感があるので、これでいったん打ち止めにしましょうとのご提案がなされました。自分も賛成です。

http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-fd59.html
↑竹熊さんから反論をいただいた

派手なバトルを期待していた人がいるとすれば残念でしたが、自分ははじめから事を荒立てるつもりはなく、ただ自分の主張がどうもご理解いただけないので(そして、そういう方は他にも多いと思われるので)、須賀原氏に対する返答という形で、他の人も読むことを想定しながら、日頃の主張を再度説明したものです。

ただしこの問題、現時点ではいくつかの予兆的事実に基づく「未来予測」に類するものであることは確かです。同じ事実をもとにしても、解釈の幅が相当に広く存在するので、自分が「崩壊の予兆」と感じていることでも、そうは思わない人もいらっしゃるのでしょう。そういう人にとっては、竹熊の言説は「狼が来たぞ!」と叫ぶ嘘つき少年のように感じるのかもしれません。

もちろん自分は自分の感じていることを素直に書いているまでで、ウソをついているつもりも、人心を惑わしているつもりもありません。

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2009年8月26日

須賀原洋行氏のご批判について(2)

須賀原氏のもうひとつのエントリ「たけくまコメントへの反論」(→★)を読むと、須賀原氏と私の一致点および相違点が、よりはっきりしてくると思います。

《既存の出版社によるマンガ出版システムは限界にきているのだろうか。
私はそうは思わない。

地球規模でのエコの問題、そして、それに伴って地球規模で産業構造が転換期を迎えていて、さらには金融資本主義で無茶をやるもんだから経済不安が加速して世界的な不況になっており、それが日本のマンガ出版界にも大きな悪影響を与えているのは確かだ。

しかし、これは紙に代わるマンガ向きの簡易な電子メディア(媒体)が生まれれば、少なくともマンガ出版界の不安は一気に解決に向かうと思う。
ちょっと前にこのブログでも書いたような、有機ELなどを使った持ち運びが簡単な電子ペーパーなどである。
A5くらいの大きさで、ペラペラの紙のようなディスプレイ。
それとiPodのような小型軽量のマンガプレーヤーを組み合わせて何百作ものマンガ作品がどこででも読めるようにする。

そうなると、既存の出版流通システムは変わるかもしれない。
取り次ぎが不要になり、既存の書店もなくなるかもしれない》 
(たけくまコメントへの反論)

この部分に異論はありません(エコうんぬんの話はともかくとして)。A5くらいの大きさで、ペラペラで紙のようなディスプレイの出現などは、久しく自分も夢想しているデバイスですし、アマゾンがアメリカで発売しているキンドルは、本に変わる電子ペーパーのデバイスとして現実に登場しています。「既存の出版流通システムは変わるかもしれない。取り次ぎが不要になり、既存の書店もなくなるのかもしれない。」というくだりも、たぶんその通りになる可能性があると思います。

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2009年8月25日

須賀原洋行氏のご批判について(1)

だいぶ時間が経ってしまいましたが、自分は7月末、“この8月26日に大阪難波のモンタージュでトークライブ「マンガの黙示録2」を開催する”旨のエントリを書きました。

http://memo.takekuma.jp/blog/2009/07/post-e2aa.html
↑たけくまメモ「告知・大阪難波でトークライブ」

これは4月末に同じ店で行ったトークの第二弾。前回に引き続き、「マンガ界=出版界の崩壊」が大テーマで、今回は「フリー出版人として生き残るにはどうすればいいか」をメインテーマにする予定です。じつはマンガ界ばかりではなく、「出版界」全体も含み込んだテーマなんですね。

ところが、このエントリをアップした二日後になって、須賀原洋行氏の「マンガ家Sのブログ」に「たけくまメモの欺瞞性」(8月2日) が掲載されました。

http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-881e.html
↑マンガ家Sのブログ「たけくまメモの欺瞞性」

こちらのエントリは、たけくまメモのコメント掲示板で読者が知らせてくださいまして、初めて読んだものです。

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2008年6月25日

マンガ界崩壊を止めるためには(6)

●限界に来たマンガのビジネスモデル

以上、述べて来ましたように、マンガ界はこれまでのビジネスモデルが限界に達しつつあり、早くなんらかの手を打たないと、大手出版社を始めとして版元も作家も共倒れになる危険性があります。

もちろんこれはマンガ界単独の問題では実はなくて、「版元―取次―書店」といった出版流通の構造が限界に達しているということで、全出版流通の三割を占めるマンガ(雑誌・単行本)が売れなくなってきているということが、事態をより深刻にしているわけです。

ブックオフやマンガ喫茶の隆盛を見る限りでは、マンガ読者が減っているのではなく、マンガを(新刊で)買う人が減っているだけだということがわかります。ここから考えても、マンガ表現そのものは、これからも生き残るだろうと思います。

実際、出版流通の中心から目を転じてみるならば、コミケなど同人誌即売会の隆盛は年々大きな存在感をしめしており、インターネットではマンガネタが大きなウェイトを占め、ケータイマンガなどのニューカマーが倍々ゲームで業績を伸ばしている実態があります。

しかし、版元―取次―書店流通による紙マンガ出版が現状、圧倒的主流であることは確かなことで、たぶんこれからも当分は主流であり続けることでしょう。

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2008年5月25日

『サルまん2.0』連載は中止しました

すでに先行発売の『IKKI』をお読みの読者はご存じだと思いますが、相原コージ氏と俺が昨年秋から連載を始めていた『サルまん2.0』は、本日25日発売の「IKKI」七月号をもって終了することになりました。ご愛読くださっていた読者の皆さんには、大変申し訳ありませんでした。

連載中止に至る経緯は最終回に書きましたので、そちらをご覧ください。公式ブログおよび「たけくまメモ」でも改めて事態を説明するエントリを準備しています。が、準備が整わない段階でネットで噂が広まりはじめたようなので、とりあえず緊急告知としてこのエントリをアップしました。

正式な発表エントリは本日夜(深夜になるかも)に発表する予定ですが、現時点で言えることは、これは編集判断による「打ち切り」ではなく作者サイドから「中止」を申し入れたということ、中止は作者二人で話し合って決めたことであることです。

中止の理由は雑誌に書いたとおりで、詳しくはそちらをご覧ください。相原くんの側の説明もそちらにあります。俺から一言付け加えるなら、この連載は、準備に少なくとも半年はかけるべきだったということです。

まあ準備期間はあったのですが、俺が入院したり、相原くんと家族が交通事故にあったりしたこともあります。それでも時間はあったはずなんですが・・・。要するに、開始前にもっとよく話し合って意思統一を図るべきだったのですが、長年の仲間であることの甘えと油断があり、それを怠っていたのが今回うまくいかなかった原因だったと思います。

もう少し詳しいことは雑誌と、本日夜(深夜になるかも)にアップするエントリをご覧ください。申し訳ありませんでした。

竹熊健太郎

※25日11:23 追記:本日夜エントリをアップすると書きましたが、都合により明日の夜以降にアップすることになると思います。どうもすみませんです。


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